新戦国策秦3-11、甘茂が武王にとって苦手な使者は相手にするなという話

 ということで前回は秦で味方のはずのある人が甘茂の失敗を画策し、一生懸命工作して回るという話でした。 ある意味では人のしょうもなさをとてもよく表しているくだりかなと思います(笑)  秦王が甘茂に言った。 「楚より来たる使者は全く屈強な弁士が多い。議論しても私はたびたび窮地に陥ってしまう。どうすればよいのだろう」 甘茂が言った。 「王に置かれましては、これを憂いに思います…

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新戦国策秦3-12、甘茂が先手を打って公孫衍(こうそんえん)を秦から追い出す話

 ということで前回は武王が屈強な使者が苦手だったのですが、そういう人は相手にしないでおけば自ずと楚の方で使者を選んでくれるでしょうとアドバイスするという話でした。  甘茂が秦の宰相となった。 王は公孫衍(こうそんえん)のことを愛しており、問題の時には立って話をすることもあった(ほど親しかった)。ある時、自ら「私はそなたを宰相にしようとしているのだ」と言った。甘茂の部下が…

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新戦国策秦3-13、甘茂が楚からの和議という罠を看破する話

 ということで、前回は甘茂が先手を打って公孫衍(こうそんえん)を秦から追い出すという話でした。酷なようですが、これをやってなかったら追い出されるのは、あるいは殺害されるのは甘茂の方だったろうという紙一重の戦いだったということですね。こういうことを取り扱うことに関しては、戦国策の独壇場という気がします。  甘茂が秦・魏間の盟約をして楚を攻めた。 楚の秦担当相である屈蓋(く…

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新戦国策秦3-14、ある人が秦王に驕れる者は久しからずを説く話

 ということで前回は楚の秦担当相である屈蓋(くつがい)が秦に講和を言い出しますが、これは罠だと。これに乗ってくれれば魏は不信感を秦に抱くことになるし、そうなれば秦を孤立化させることができる。それを見破ったのが甘茂だったという話ですね。 今回長いので番号を振りました。 ①②③としましたが、結論の③から見た方がわかりやすいかもしれません。  ①ある人が秦王に言った。 「この…

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新戦国策秦3-15、ある人が腹を立てている秦王にゴマすりして機嫌を直す話

 ということで前回は長かったんですが、秦王があまりに国力が圧倒的になったのと周辺国をいじめているので釘を刺すと言った感じの話でした。実は今一番すごいのは秦ではなく斉だよ、と言うという話ですね。  秦王は弁士である中期(ちゅうき)と争論したが勝てなかった。 秦王は大いに怒り、中期は恐れ騒ぐこともなく徐々に去っていった。ある人が中期のために秦王に言った。 「中期というのは驕…

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新戦国策秦4ー1、昭襄王、甘茂が秦を追われた後の話

 ということで今回から昭襄王(しょうじょうおう)に入ります。この人長いだろうなと思ったら、なんと長すぎて上下に分かれていますね。さらに始皇帝をやったら秦はおしまいです。当分続きますね。  甘茂(かんも、かんぼうとも)は秦を逃げ、斉に行こうとした。 関所(特に函谷関)を出て、そこで蘇子(蘇代)に会った。 そこで言った。 「君はかの江上の乙女の話を知っているか」 蘇子は言っ…

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新戦国策秦4ー2、獻則(けんそく)が公孫消に太后にゴマすりしとけという話

 ということで前回は甘茂が秦に尽くしてきましたが、王が変わって追放されると。そして蘇代に尽力してもらって斉に行くことで生きていくことになるというお話でした。  獻則(けんそく、獻は献の旧字)が公孫消(こうそんしょう)に言った。 「貴公は大臣の中でも特に尊い者だと言える。しばしば戦争をしても功績がある。しかし宰相となれないその理由というのは、太后が貴公を気に入らないためだ…

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新戦国策秦4ー3、樓緩(ろうかん)が秦王に聞かれてさらっとかわす話

 ということで前回は獻則(けんそく、獻は献の旧字)が公孫消(こうそんしょう)に太后である宣太后にゴマ擦っとけと言う話でした。ゴマすりしないと身が危うい、出世が遠いということもありますが、一番問題なのはそうしないと成り立たないこの秦の内部の群雄割拠状態が一番危ういという話でした。  韓・魏・斉の三国が秦を攻めて函谷(関)に入った。 秦王は樓緩(ろうかん、樓は楼の旧字体)に…

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新戦国策秦4-4、魏の宰相である孟嘗君(もうしょうくん)が魏冄(ぎぜん)に魏に斉を攻めさせろという話

 ということで前回は樓緩(ろうかん)が秦王から聞かれたことをこういうことは親族に聞くものですといってさらっとかわすという話でした。まともに返すことは危うい。どこでどう引っかかってあいつは裏切りものだとなるかわからないので、答えをはぐらかしていくと。これが処世術というかいい生き方であるという秦の状況がまずいという話ですね。 今回は薛公(せつこう)が魏の味方として魏冄(ぎぜん)に…

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新戦国策秦4-5、冷向(れいきょう)が秦王に斉の味方をしつつ足を引っ張っていることを説明する話

 ということで前回は、魏の宰相であった孟嘗君(もうしょうくん)がなぜか秦の魏冄(ぎぜん)に対して、魏に斉を攻めさせろという話でした。しかも得た土地は全部秦にあげるとのこと。何を企んでいるのかわからなかったですね。  秦の臣である冷向(れいきょう)が秦王に言った。 「この向は斉の事情によって王に仕えたいと思っております。 それゆえに斉を助けて宋を攻めているところであります…

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新戦国策秦4-6、ある人が魏冄(ぎぜん)に宋に行くことを勧める話

 ということで前回は、冷向(れいきょう)が斉の味方をしつつ実は斉の足を引っ張ってるんですよと。それによって秦に貢献してるんですよと説明する話でした。王は言わなくてもわかっていると思ったんですけどねえ……(わかってなかったか)という言い方がいかにも皮肉っぽい言い方ですね。  ある人が穣公(じょうこう)である魏冄(ぎぜん)に言った。 「貴公のためにどの封地が最もいいだろうか…

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新戦国策秦4-7、ある人が魏冄(ぎぜん)にもっと秦強くなれよという話

 ということで前回は、秦の宰相であるはずの魏冄(ぎぜん)にある人が宋の土地に行ったらいいですよと勧めるという話でした。恐らく王によって追放を言い渡された後の場面かなと。  ある人が魏冄(ぎぜん)に言った。 「楚が秦を破れば、その時は秦は斉と勢力の均衡を保つことはできません。秦は三世に渡り使節を韓・魏に向かって積み上げてきましたが、しかし新しく斉の徳がこれに加わっておりま…

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政治的劣化

 ツイッターの方では散々政治のネタ呟いてますが、こっちは全くやってません。あまりこっちで政治ネタ扱いたくない、というか政治ネタ扱うとそれっぽいカテゴリに分類される(陰謀論に毒されているとか、洗脳しようとしているとか)のがあまり好きではないからだ。とはいえ、最近の政治の状況は目に余るものがある。いや、なによりも日本というこの国が従属しているのがアメリカという国であり、アメリカイ…

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新戦国策秦4-8、昭襄王のやり方に母である宣太后が意見する話

 ということで前回は、魏冄(ぎぜん)がある人にもっと秦は他国の土地を掠め取った方がいいと言われるという話でした。これが始まりだったかどうかはわかりませんが、確かに魏冄は各国の土地を取って回っています。戦国策自体が「あれはそういうことか、あの顕著な特徴はそういうことか」という読む人の腑に落ちる内容を目指している感じはあるのかなと。  斉・楚・趙・韓・魏の五国が成皋(せいこ…

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新戦国策秦4-9、孟嘗君(もうしょうくん)が楚を孤立化させてから攻めるという話

 ということで前回は昭襄王がやろうとすることに対し母である宣太后が意見するという話でした。これでは王と言えど自分の思うようにはできず、歯がゆい思いをすることになっただろうという話ですね。  秦は楚の漢中を取り、再度秦の藍田(らんでん)の地で戦って、おおいに楚軍を破った。韓と魏では楚が苦しんでいるのを聞き、南の鄧(とう)の地に至った。楚王はこれを聞いて急いで引き返した。斉…

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新戦国策秦4-10、韓春(かんしゅん)が孟嘗君(もうしょうくん)の失態から孟嘗君包囲網を作ろうとする話

 ということで前回は孟嘗君(もうしょうくん)が楚を孤立化させ、秦からの援軍が来ないようにしてから韓・魏・斉の三国で破るという話でした。戦国の世とはいえ、敗れた楚をみてこれは好機とばかりに追い打ちをかけるというのは、みていてちょっとひどいなと思いました。  薛公(せつこう、孟嘗君のこと)が魏に入って、(魏王の夫人であり、楚の最後の考烈王である負芻(ふすう)の母である)斉の…

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新戦国策秦4-11、趙からきたある人が、魏冄(ぎぜん)に的外れなことを言う話

 ということで前回は斉憎しの孟嘗君が魏で好き勝手しているのですが、そこからアラを見つけ出してこれで孟嘗君包囲網ができるぞと韓春(かんしゅん)が言うという話でした。実際斉から魏に移った後の孟嘗君の話は聞いたことがあまりない気がしますが、実際にはこうして行動を遮られていた可能性があります。  ある人(この人は注によると趙の人のよう)が魏冄(ぎぜん)に言った。 「秦と趙との講…

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新戦国策秦4-12、前半、蘇代が秦王ではなく魏冄(ぎぜん)に書簡を送る話

 ということで前回は、魏冄(ぎぜん)のところに来た趙からのある人が、あまりにも的外れなことを言うという話でした。白起が活躍すればあんたは軽んじられますよったって、魏冄は王位がかすむ程の立ち位置にいたわけですから。  今回長いので半分に分けます。 前半ですね。  陘山(けいざん)の戦役のことがあり、趙は秦と斉とを討ちたいと思っていた。 斉ではこのことを恐れており、田…

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新戦国策秦4-12、後半、蘇代が魏冄(ぎぜん)を説得する話

 ということで前回は蘇代が魏冄(ぎぜん)に書簡を送るという話でした。秦王ではなく魏冄(ぎぜん)に送る。なんかちぐはぐだしおかしいですが、これが成り立っているところが秦の恐ろしいところで。 そして蘇代は、秦が趙に従っても何も得しませんぞ、と言います。これが秦が趙に合わせるべきでないという理由の一つ目であると。  「(この三晋が百回秦に背き、百回秦を欺いても不信とならず、非…

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新戦国策秦4-13、造(ぞう)が魏冄に燕とやり取りすべきであるという話

 ということで前回、前々回と蘇代が魏冄(ぎぜん)を説得して斉を攻めないようにするという話でした。  秦の客卿(かくけい、他国から来て卿を務めている者)である造(ぞう)が穣侯(じょうこう、魏冄のこと)に言った。 「秦では、穣侯を封じるのに陶(とう)の地をもって封じており、天下を制する権利を与える事数年に及びます。斉を攻めることがなったならば、陶は大国となり、小国の長となる…

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新戦国策秦4-14ー1、黄歇(こうあつ)が秦王を褒めちぎる話

 ということで前回は魏冄(ぎぜん)に対して造(ぞう)という者が燕と交渉してはと勧める話でしたが、燕としては斉を再度叩く熱烈な動機がないので難しいだろうなあという話でした。  ということで今回もまた長いので、前半後半に分けようと思いましたが、凄まじく長いので、いっそ1ページ前後を一回として四回に分けようと思います。  頃襄王の二十年の時のこと、秦の白起は楚の西陵(せ…

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新戦国策秦4-14ー2、黄歇(こうあつ)が韓・魏に警戒した方がいいと秦王に言う話

 ということで前回の続きです。 黄歇(こうあつ)が秦王を褒めちぎっている最中です。  「(また、王は甲兵を出して魏を攻め、魏の都である大梁(たいりょう)の門を塞ぎ、河内(かない)を取り上げ、燕酸・棗虚・桃人(えんさん・そうきょ・とうじん)などの諸都市を落とし、魏に救援にきたはずの楚・燕の兵士は秦兵を恐れて雲散霧消して戦うこともありませんでした。王の功績ときたらまた多いも…

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新戦国策秦4-14ー3、黄歇(こうあつ)が秦王へ韓・魏の恨みの深さと恐さを説く話

 ということで、前回前々回に引き続き黄歇(こうあつ)が秦王に説いている場面です。  「今、王は中道を歩まれており韓・魏の王をいいように解釈されておられます。これというのはまさに呉が越を信じることと同様であり、後々に悔いる結果を招くでしょう。この臣は次のように聞いております。 『敵は侮るべからず、時は失うべからず』と。  この臣は韓・魏が辞を低くして王の憂いをおもんぱか…

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新戦国策秦4-14ー4、黄歇(こうあつ)が韓・魏を押さえることが重要と秦王に説く話

 ということでこの話も四回目ですが今回が最終回になりそうです。  「(王がもしも韓・魏に道を借りなければ、随陽(ずいよう、随は水の名を意味し、陽はその北を指す)の右壌(ゆうじょう)を攻めることとなるでしょう。ここは川は広く大水があり山林があり渓谷はあり、産物のない不毛の土地です。王がこれを有しているといっても、土地を得たとはいえません。これは王が楚を破ったという名はあっ…

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新戦国策秦4-15、段産(だんさん)が交換条件を提示する話

 ということで前回まで黄歇(こうあつ)の話が四回連続でやっていました。黄歇は楚の人ですから、楚に有利なようにもっていきたいのだろうと思っていましたが、秦にとって有利な内容もけっこう喋っていました。まあそういう内容も話さないと説得力がないわけですが、知勇兼備とはいいますが本当にその話通りな印象でした。  秦の人である段産(だんさん)が新城君(しんじょうくん)に言った。 「…

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新戦国策秦下5-1、前半、范雎(はんしょ)が秦にやってくるという話

 ということで今回から秦も下になります。下としてはいますが、内容としても昭襄王の下であり、いかに昭襄王という王が重要であったかを示しているものかと思います。昭襄王は王としては一応55年程度やっていますが、果たしてどこらへんから上下を分けているのかも気になるところです。  范氏は王稽(おうけい)の手引きで秦に入り、書を秦王に献じて言った。 「この臣はこのように聞いておりま…

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新戦国策秦下5-1、後半、范雎(はんしょ)が秦王に自分を勧める話

 ということで前回の続きです。   「この臣はこのように聞いております。 周に砥厄(しえき)、宋に結緑(けつりょく)、梁に懸黎(けんれい)、楚に和璞(かぼく)という宝玉がそれぞれありました。 この四宝はいずれも良工が見誤ったところから現れ、しかも天下の名器となったものであります。そうであれば、(魏に捨てられた)自分のような者であったとしても、国を厚くするには足りない、な…

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新戦国策秦5-2ー1、范雎(はんしょ)が昭襄王と謁見する話

 ということで前回、前々回と范雎(はんしょ)が秦王に宛てた書簡の内容でしたが、これによって范雎に会うことを決意したというくだりでした。これから当分范雎の内容が続きます。 いかに范雎という人が秦にとって影響が大きかったかということをこれは物語るものだと言えます。魏冄(ぎぜん)らによる王のない状態、好き勝手する状態が続いていたわけですが、范雎がこれを打開した、というだけならそのく…

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新戦国策秦4-16、段干越人の言う、千里を行く馬の話

 ということで前回は、段産(だんさん)が新城君(しんじょうくん)に向かって交換条件を提示する話でした。讒言したりしないから、その代わり讒言があっても受け入れたりしないで欲しいと。  段干越人(だんかんえつじん、魏の人)が新城君に言った。 「趙簡子(ちょうかんし)の御者であった王良(おうりょう)がある馬を馬車につけて 『これは千里を走る馬だ』と言いました。 そこで造父(ぞ…

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新戦国策秦5-2-2、范雎(はんしょ)が昭襄王に話すという話

 前回の続きです。 范雎(はんしょ)が秦王と会って話をしている場面です。  「(そうではありません。 この臣はこのように聞いております。かつて呂尚(りょしょう)が文王に会った時には、ただ漁夫となって、渭水(いすい)の北で釣りをしていただけでした。そのようなものは、国君と漁夫ですから交わりはないに等しいものであったでしょう)  既に一度説いて太師(たいし、天子の師)とし、馬車に…

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