三十六計について

 書いていくわけですが、思いつくネタがそんなに多くないけどまあいいか笑  思いついたら思いついたときにタイトルに改とか改改とか改改改改改……という形で追記して書いていけたらと思ってます。なんで本当に短い文章が続くことになりそうですが、まあそれもいいかなと笑  章としては六つ、内容はそれぞれ六つで計三十六となります。  勝戦、敵戦、攻戦、混戦、併戦、敗戦とあってそ…

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瞞天過海(三十六計1、勝戦①)

 瞞天過海(まんてんかかい)……「天をあざむきて海を渡る」  →文字通りの意味:白昼に堂々と天子を欺いて海を渡る。  「昔、唐の太宗が高麗に遠征した際、海を怖がって乗船しなかった。そこで張士貴(ちょうしき)という人物は一計を案じ、巨大な船の上に土を盛り、家まで作ってしまった。皇帝が安心している間に海を渡り、高麗に到着した」  →さらに広げた意味:大きな奇策ほど有…

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囲魏救趙(三十六計2、勝戦②)

 囲魏救趙(いぎきゅうちょう)……「魏を囲みて趙を救う」  →文字通りの意味:充実した部分ではなく、敵の弱点を襲って敵勢力の弱体化を図る。  「戦国時代に趙の都である邯鄲(かんたん)が魏に攻められ、趙は斉に援軍を求めた。誰もが斉軍は邯鄲へ行くだろうと思ったが。斉の軍師孫臏(そんぴん)は魏の都である大梁(たいりょう)を急襲させた。魏軍は慌てて戻るが、その道中で孫臏の伏兵…

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借刀殺人(三十六計3、勝戦③)

 借刀殺人(しゃくとうさつじん)……「刀を借りて人を殺す」  →文字通りの意味:「自ら手を下さず第三者に攻撃させる」  「春秋末期。斉の簡公は魯を打とうとした。  小国である魯の子貢(しこう、孔子の弟子)は斉へ行き、斉の大夫である田常(でんじょう)に魯など落としても大した功績にはなりませんから、魯の向こうにある大国呉を攻めた方がよろしいのではと勧めた。そして次に…

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以逸待労(三十六計4、勝戦④) 改

 以逸待労(いいつたいろう)……「逸(いつ)をもって労を待つ」  →「安逸な状態、休養し充実した状態で疲労した敵を破る」  「秦の将軍王翦(おうせん)は六十万の軍で楚と戦うことになった。楚の守りは固く備えは固い。そこで王翦は兵士を十分に休養させ食糧を与え手厚くねぎらった。そうしてしばらく経つと兵士たちは力を持て余し、遊び始めるようになる。充実したと判断した王翦…

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趁火打劫(三十六計5、勝戦➄) 改

 趁火打劫(ちんかだきょう)……「火に趁んで(つけこんで)打劫す(だきょうす)」  →文字通りの意味:火事場の混乱につけこんで泥棒をする  「紀元前482年、呉王は黄池の会(こうちのかい)に赴いて、諸国と会合し盟主になろうとした。そこで越王勾践(えつおうこうせん)とその軍師范蠡(はんれい)は呉王の留守につけこんで呉に侵攻を開始し、太子を殺害する。その後も攻めに攻め…

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声東撃西(三十六計6、勝戦⑥) 改

 声東撃西(せいとうげきせい)……「東に声して西を撃つ」  →文字通りの意味:東を攻めるように見せかけ、西を撃つ。あるいはよそを攻めると見せかけて狙いを定めた場所を攻める。  「曹操と袁紹とが対峙した官渡の戦い(かんとのたたかい、紀元後200年)において曹操は前線の白馬(はくば)を包囲された。早速白馬に向かおうとする曹操だが、軍師である荀攸(じゅんゆう)がそれ…

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無中生有(三十六計7、敵戦①)

 無中生有(むちゅうせいゆう)……「無中に有を生ず」  →文字通りの意味:無の中に有を生ずる。虚を実に見せかけることで、敵の判断を狂わせる。  「たくさんの竈(かまど)を作ったり多くの旗指物を立てたりすることで兵が多いように見せかける。それによって敵が惑わされているうちに兵力の充実を図るというもの」  →広げた意味:無い物を有るように見せかける→敵の判断を狂わせ…

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暗渡陳倉(三十六計8、敵戦②)

 暗渡陳倉(あんとちんそう)……「暗かに(ひそかに)陳倉に渡る」  →文字通りの意味:敵の注意を別の地点に引きつけておいて、ひそかに別の場所で目的を達成する。  「韓信は東征の軍を出し咸陽(かんよう、項羽の拠点)を目指した。そこで韓信は秦嶺(しんれい)山脈にかかある桟道の修復工事にかかるが、それは楚軍を欺くためであって部隊は秘かに渭水(いすい、黄河の支流のひと…

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隔岸観火(三十六計9、敵戦③)

 隔岸観火(かくがんかんか)……「岸を隔てて(へだてて)火を観る」  →文字通りの意味:対岸の火事を観察する。敵と川を隔てて対峙している時に敵の様子を冷静に観察する。  →広げた意味:直接手を下さずとも、勝手に仲違いし仲間割れしているのであれば戦うまでもなく勝てる。  →さらに広げる:そういう内応工作などは非常に有効であるということ。  ・解説……最早隠せ…

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笑裏蔵刀(三十六計10、敵戦④)

   笑裏蔵刀(しょうりぞうとう)……「笑いの裏に刀を蔵す(かくす)」  →文字通りの意味:笑いの裏に刀を隠す。内心を隠して敵の油断を攻める。  唐の時代に李義府(りぎふ)という人物がいた。温厚な人物で笑顔を絶やすことがなかった。ところが宰相になると意に沿う者は取り上げ、意に逆らう者は容赦なく罰した。このことから、「義府は笑中に刀有り」と恐れられた。  ・解説…

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李代桃疆(三十六計11、敵戦⑤)

 李代桃僵(りだいとうきょう)……「李(すもも)、桃に代わりて僵る(たおる)」  →文字通りの意味:桃の代わりにすももが倒れる、少しの犠牲で大きな犠牲を得る。  →もともとの意味:すももの木が桃の代わりに虫の害にあって倒れること。これから転じて兄弟間の愛のことを指した。後に誰かが誰かの身代わりになる、「肉を切らせて骨を断つ」「損して得取れ」という意味になっていった。 …

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順手牽羊(三十六計12、敵戦⑥)

 順手牽羊(じゅんしゅけんよう)……「手に順いて(したがいて)羊を牽く(ひく)」  →文字通りの意味:勢いに乗じて、羊を盗む。他人の物を盗む。敵の隙を見つけたら手当たり次第に掠め取るという意味。  →もともと:「たまたま手に触れた縄を引いたら羊がついてきたと羊泥棒が強弁した」という故事に基づく。    ・解説……微かでも隙があればそこは付け入るところとなる…

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打草驚蛇(三十六計13、攻戦①)

 打草驚蛇(だそうきょうだ)……「草を打ちて蛇を驚かす」  →意味①……敵の行動がよく分からないときは軽率な行動をとらず十分に探ってから行動する。     ②……不用意な行動によって敵に行動を知られ、予防されてしまう。     ③……ある人を懲戒して別の人に警告する。    ③はもうそのままストレートに「草を打って蛇を驚かしているな」というのが見て取れます。…

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借屍還魂(三十六計14、攻戦②)

 借屍還魂(しゃくしかんこん)……「屍(しかばね、又はかばね)を借りて魂を還す(かえす)」  →文字通りの意味:他人のしかばねを借りて生き返る。  →広がった意味:一度衰退した勢力が別の権威を持って復活してくること。  前提として中国では、人が死ぬと死ぬと魂(こん、精神)と魄(はく、肉体)とに分離するという思想がある。儀式で魂を呼び戻して復活するには肉体が必要だ…

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調虎離山(三十六計15、攻戦③)

 調虎離山(ちょうこりざん)……「虎を調って(あしらって)山を離れしむ」  →文字通りの意味:虎を騙して山からおびき出す、山から離れさせる。  →広がった意味:敵を有利な土地から誘導して撃つ。  ・解説……天の時を待って敵を苦しめ、人をやって敵を誘うというのが上策である。敵地に行けば悩みは尽きないが、敵が出て来たならば悩みは解消され、我に返ることができる。 …

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欲擒姑縦(三十六計16、攻戦④) 改

 欲擒姑縦(よくきんこしょう)……「擒えんと(とらえんと)欲すれば姑く(しばらく)縦つ(はなつ)」  →文字通りの意味:最終的に捕まえようと思えば、最初はわざと逃がす。  →広がった意味:最初は相手に余裕を与えて、敵の気が緩んだところを攻める。  ・解説……追い詰めれば反撃してくる。敗走していれば勢いは減ってくる。決して急迫して追いつめてはならない。気力を減…

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抛磚引玉(三十六計17、攻戦⑤)

 抛磚引玉(ほうせんいんぎょく)……「磚を抛げて(せんをなげて)玉を引く(ぎょくをひく)」  →文字通りの意味:磚(せん、かわら)を投げて玉(ぎょく、宝石)を引き寄せる。  →似たことわざ:エビで鯛を釣る。  →他の意味:自分の卑見を述べて、他人の優れた意見を引き出す。  ・解説……似たもので敵を誘い、出てきた敵を撃つのである。  ・解説の解説「蒙」は無…

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擒賊擒王(三十六計18、攻戦⑥) 改

 擒賊擒王(きんぞくきんおう)……「賊を擒うる(とらうる)には王を擒えよ」  →文字通りの意味:賊を捕らえるためには、下っ端ではなく王を捕まえるのがいい。  広がった意味:王を捕まえなくては、いくら下っ端を叩いたところで意味がない。  さらに広がった意味:局地戦で満足せず、やるなら徹底的に敵を叩かねばならない。  唐の詩人杜甫(とほ)の『前出塞(ぜんしゅつさい…

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釜底抽薪(三十六計19、混戦①)

 釜底抽薪(ふていちゅうしん)……「釜底(かまぞこ)より薪(たきぎ)を抜く」  →文字通りの意味:煮えたぎっている釜からたきぎを抜く。  →広がった意味:最も根本的な解決をする。  ・解説……その力と敵対せずしてその勢いを消すのは、「兌下乾上(だかけんじょう)」の象(しょう)であるといえる。  ・解説の解説……兌下乾上の象(しょう)とは兌が下にあり乾が上にある…

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混水摸魚(三十六計20、混戦②)

 混水摸魚(こんすいぼぎょ)……「水を混ぜて魚を摸る(さぐる)」  →文字通りの意味:水をかき混ぜて濁らせ、魚を捕らえる。  →広がった意味:混乱に乗じて勝ちを得る。  ・解説……敵の内乱に乗じ、敵が弱くなり指揮が乱れていることを利用する。隋は以て晦に向えば入りて宴息す(ずいはかいにむかえばいりてえんそくす)。  ・解説の解説……卦には隋(ずい)という卦がある…

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金蝉脱殻(三十六計21、混戦③)

 金蝉脱殻(きんせんだっかく)……「金蝉、殻を脱す」  →文字通りの意味:蝉(せみ)が脱皮して姿をくらます。  →広がった意味:偽装工作によってもぬけのからとし、敵に気付かれる前に撤退や進撃などを行う。  ・解説……現在の布陣をそのままにし、その形勢もそのままとすれば味方も疑うことなく敵も動くことはない。𢁌いて(したがいて)止まるは蠱(こ)なりである。  …

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関門捉賊(三十六計22、混戦④)

 関門捉賊(かんもんそくぞく)……「門を関して(とざして)賊を捉う(とらう)」  →文字通りの意味:門を閉ざして逃げ場を無くし、賊を一網打尽にする。  →実際には:包囲されて逃げ場所を失ったら敵は必死になり、被害が大きくなりかねない。  ・解説……小勢力の敵軍はこれを包囲する。追いつめられると必死で反抗してくるので、これに攻撃するというのは得るところがない(剥は…

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遠交近攻(三十六計23、混戦⑤) 改

 遠交近攻(えんこうきんこう)……「遠く交わり近く攻む」  →文字通りの意味:遠い国と親交を結び、近隣の国を攻撃する。挟撃する。  ・解説……こちらが不利で勢いが出せない時には近くの敵地を奪うのが最も良く、遠くを取ろうとするのは害であると言える。「上火下沢(じょうかかたく)」というのはこのことである。  ・解説の解説……上火下沢とは、「上に火があり、…

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仮道伐虢(三十六計24、混戦⑥) 改

 仮道伐虢(かどうばっかく)……「道を仮りて(かりて)虢を伐つ(かくをうつ)」  →文字通りの意味:道を通行するだけだと言って他国の道を借りて、そのまま虢の国を滅ぼしてしまう。その道を貸してくれた国を亡ぼす。  →日本での類語:庇を(ひさしを)貸して母屋(おもや)を取られる……一部を貸して全部取られてしまう。  ・解説……両隣を強国に挟まれた小国に対して…

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偸梁換柱(三十六計25、併戦①)

 偸梁換柱(とうりょうかんちゅう)……「梁を偸み(はりをぬすみ)柱を換う(はしらをかう)」  →文字通りの意味:家の構造の中で最も大切な部分であるはりや柱を変えてしまう。骨抜きにしてしまう。  →広がった意味:優先順位の高い場所をしっかりと見定めて、明確にそこへと効果的な手を具体的に打つべき。  梁や柱もその構造の一部として働くから意味があるのであって、一旦…

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指桑罵槐(三十六計26、併戦②)

 指桑罵槐(しそうばかい)……「桑を指して槐(えんじゅ)を罵る」  →文字通りの意味:桑を指してえんじゅの悪口を言う。  ※えんじゅ……マメ科、街路樹や公園に多く植えられている。ここでは要するに全然関係ないけど、一応木として共通点のあるもののことを指している。  →第三者を責めることで、当人への反省や警告を行う。  ・解説……大きい者であり小さい者を圧…

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仮痴不癲(三十六計27、併戦③)

 仮痴不癲(かちふてん)……「痴を仮るも(ちをかるも)癲せず(てんせず)」  →文字通りの意味:愚か者を装ってはいるが、狂っているわけではない。  ・解説……偽って何も知らないふりをし、何もしない方がへたに知恵者ぶったり軽率な行動をするよりよほどいい。それはあたかも雷が鳴りつつもいまだに雨を降らさず、じっと時を待つかのようである。「静にして機を露わさず。雲…

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上屋抽梯(三十六計28、併戦④)

 上屋抽梯(じょうおくちゅうてい)……「屋(おく)に上げて梯を抽く(はしごをひく)」  →文字通りの意味:屋根に相手を上げた状態ではしごをとってしまう。  ・解説……敵を偽るのにおとりを用い、敵を騙すことで前進させて孤立させ、敵を死地に落とすのである。「毒にあたる」というのは敵とこちらとで位置がずれていることから生じるのである。「毒に遇うとは、位(くらい)…

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樹上開花(三十六計29、併戦⑤)

 樹上開花(じゅじょうかいか)……「樹上に花を開かす(さかす)」  →文字通りの意味:木の上に花を咲かせる。  →(もともとは花をつけないはずの木が)花をつける。ないものをあるように見せかける。  ・解説……(いろいろなものを使うことで)戦局を展開して、それによって勢いさえ手に入れることができれば、力は小さくても勢いは大であるといえる。それは鴻(おおとり)が…

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