タクティクスオウガ㉙生きることと引退、評論との乖離

 バルマムッサに関しては様々な見方があるのは確かであり、一方的に正しさを押し付けるとどうしても歪みが生じることになる。それを敢えて承知して、むしろその歪みを認識し、楽しむという見方もあるのではないか。ふとそんなことを思った。思ったので書いてみることにする。      ヴァイスはこうして人々を前に訴えかける。しかしその思いは空回りするばかりである。  この空…

続きを読む

タクティカスオウガ㉚個人レベルから集団レベルの時代へ、その概念の獲得へ

 ということでワクチン打って歩きながら思いついたことが四つありましたが、そのうちの二つ目がこれですね。 ・タクティクスオウガってゲームはSFCからPSPにリメイクされているんですが、けっこういろいろな要素が変わっているんですが、その中でも最も変わった要素の一つがレベルが個人のものではなく、集団のものになっているということですね。 普通なら、レベルが上がればその人でありユニット…

続きを読む

タクティクスオウガ㉛僕が死ねばすべてがうまくいくのか…?

 ふと昔のことを思い出した。 タクティクスオウガを考える際には基本分析したことばかりを考えるようにしてきたけれど、もうネタが切れてけっこう経つし(笑)、新しい切り口になる可能性があるのであればこういうおもいっきり主観側に振れた思考も大切なのかもなあと考えて書いてみることにする。  ・昔のことだけど、その当時属していた組織におもいっきり迷惑をかけたことがあって、し…

続きを読む

タクティクスオウガ㉜デニム君について

 タクティクスオウガについて考えるときに思うのが、主人公であるデニムに対しての他人との温度差であって。まあ物語の主人公でもあるし、話が名作であるのもあって誰も話すときに感情移入した結果としてデニムを語るわけだが。それは仕方のないことでもあるし、むしろ自然なことだと言ってもいいのだが、基本的に私はデニム君はクズだと思っているので(笑)、ケンカの原因となるとすればこの温度差が原因…

続きを読む

タクティクスオウガ㉝暗黒道

 暗黒道というのも中二病感満載な言葉ではあるのだが(笑)  ・前作であるオウガバトルの最大の卑怯というのは、リーダーの運営手法そのものにあると言える。リーダーはよくわかっている。どうすれば民衆がついてくるか、不満を抱くのかを。究極的には弱い者いじめをすれば人々は嫌ってくるし、強い者と戦うと支持率は上がっていくことになる。しかしこれをバカ真面目にやっていると、いずれこ…

続きを読む

タクティクスオウガ㉞ 倒錯

 タクティクスオウガに関する話題についてはほぼ書き尽くしたんじゃないかと思っているが、それでもちょっとしたことでもしかしたら何か浮かぶかもとは思っているものの、まあ一年に一個程度出てきたらラッキーという感じになっている。でもまだ何かある気がするんだよなーとは常々思っているところ。 多分今日の内容は感想文見たくなる気がする。  ・タクティクスオウガの最も秀逸なものというの…

続きを読む

タクティクスオウガ㉟-1、レオナールのリサイクル

 二バスに関して、なぜ二バスがこの話に登場してくるのか、この話で果たしている役割は何かなどということを延々と考えてきたわけだが、今一つ煮詰まらないでいた。これだけのゲームを作る製作者のことだから、何かしらの考えがあっての二バスの登場ということになるんだろうけど(という方針で考えるのも不純ではあるが(笑))それがわからない。そういうわけで時々思い出しては一章のタインマウス~クリザロ…

続きを読む

タクティクスオウガ㉟-2、セリエのリサイクル

 ということで前回はレオナールが死後にリサイクルされ、本人の思想や性格に全く関係なく、ただ腕っぷしの強さのみを採用され働かされていたという事柄を挙げた。そしてそれはいろいろ事情はあったにせよ、レオナールが生前やってきた行いの数々を見ているとそこそこ妥当な扱いだったのではないかということだし、そういうむごたらしさを取り上げていくことで人々が納得していく要素というのは確かにある、…

続きを読む

タクティクスオウガ㊱-1バカ論クズ論

 文学やるって言ってから長いが、やってるのは蜘蛛の糸にこころくらい、そしてその余りに関してはタクティクスオウガに全力投球しているこのブログである。まあ世の中広いので、こういうブログが一つくらいあってもよかろうと思っている。しかしタクティクスオウガに関しては日頃ネタがないネタがないと常々思っていて、とっくにあらかたネタは出尽くしたかな感がある。 そういう中、脳味噌を雑巾ばりに絞りに…

続きを読む

タクティクスオウガ㊱-2バカ論クズ論、ジュヌーンの場合

 ・ジュヌーンという男がNであるのは分かりやすい。民族浄化をしたがそれは過ちだったと認め、その体制に反対するジュヌーン。それは本来典型的なLの道であり、要するにクズの道だった。つまり、命令があったら唯々諾々と従った虐殺を行った、民族浄化政策に加担したというわけだが、その結果を見て驚愕した……かどうかはわからないが、そのクズの道から外れてバカを取り入れる道を選ぶことになる。そして収…

続きを読む

タクティクスオウガ㊱-3、バカ論クズ論、ヴァイスの場合

 Lルートをデニムが選んだ場合、虐殺に反対したヴァイスは古都ライムでの遭遇時にLになっているが、これがなぜLなのか。本来はCではないのか?という疑問がある。 少なくともデニムは虐殺に反対した場合はCになる。そうなると、全く同じ場面で全く同じ選択肢を選んでいるにもかかわらず、なぜアラインメントがずれるのかという謎がある。この謎に関してバカ論クズ論を展開させていくとどうなるかとい…

続きを読む

タクティクスオウガ㊱-4、バカ論クズ論、ザエボスの場合

 ところでデニムは虐殺に反対した場合C→Nと動くことができるが、一方のヴァイスは仮定によればC→L→Nへと動くことになり対照的である。この対照性に関してはまだ考察される余地があるだろうが、確かだろうと思われることというのは、ヴァイスならバカな生き方をしているうちに組織を作ることとなり、組織を運営すればクズを許容していくことも必要だと悟らされることとなった。かといってLの生き方…

続きを読む

タクティクスオウガ㊱-5、バカ論クズ論、バカなデニムの場合

 書くたびにゲームしてその場を切り取って貼るというのがなかなかに手間なので、そのうち貼ろうと思ってます(笑)とりあえず書き出し優先ということで。  ・バルマムッサの虐殺においてデニムは岐路に立たされるが、LかCか……つまりはクズかバカかということになるが、より詳しく見ていくならばこれは虐殺をしてその罪を敵になすりつけることで有利に立とうという「クズ」を肯定するか、それと…

続きを読む

タクティクスオウガ㊱-6、バカ論クズ論、デニムの話その2

 ということでバカな方向性を選んだデニムについて書いてきたがまとめると。 ①バルマムッサの虐殺に特に理由もなく反対した。これはつまりせっかくのウォルスタ民族が手に入れた切り札であるところの、虐殺を行った上にそれを敵になすりつけるという効果的な手段に反対したということでもある。それは極めて道徳的だったかもしれないが、自分たちの存亡の危機を回避できるかもしれない効果的な方法を失わ…

続きを読む

にほんブログ村 ゲームブログ ゲーム評論・レビューへ
にほんブログ村