モロヘイヤ栽培と詰み感






 ということで詰み感。前回の続きである。本来書く気はなかったけど、しかしこういうことを考えて見ることも重要なのかなあと思ったし、ある意味自分でくぐってきたことでもあり、確かにそういう経験はあるなあと。


 いやでもそれよりなにより、詰み感という感覚があるかないかってかなり大切で、そういう感覚があるからこそ必死な感じが共有できる反面、そういうものがない、この時代に完全に欠落しているっていうのは非常にまずいことでもあるよなあと。根拠があればいいが、根拠なき詰み感のなさというのは本人が死ぬか、あるいはその切迫感のなさが周りを死に至らしめるか。それだけのインパクトがある。ある意味若い頃に必死で苦労する経験はここに通じていて、詰むかもしれない、詰まないかもしれないというギリギリでやってきたその経験と感覚というのは一生ものだなと。だからそういう意味では、詰み感がある方が救われるんじゃないかなと思うし、詰み感が全くなし、苦労全くしないで生きていった、という場合そのダメージの大きさは10年20年経って表面化してくるんじゃないだろうか。例えば定年で放り出されたはいいが、退職金課税に次の就職先を考えねばならない……となった時に、詰み感はあれどそれへの対処を50にも60にもなってようやく始めるのではあまりに厳しいものがある。そういう意味では、救われないのは詰み感の無い方だと思うし、逆にそれがあるがためになんとかしなければと思うことは様々な経験へ、そして一生ものの財産へと繋がるのではないかと思われるのだ。つまり詰み感があるっていうことは財産を持っているに等しいと。逆にそれのないことが今の安楽・安寧の貪りに繋がり、将来の人生を食い潰す結果にならないといいがと思うところ。


 ・ところでこのブログではアホなこともいろいろ書いてきた。
 例えば地獄のわさびづくり。
 これは今思い返しても地獄だった。
 いちご栽培もやってきた。


 で、今やってるのはモロヘイヤの栽培だったりする。

 ①これがものすごく簡単な割に
 ②栄養価も異常に高く、これを栽培しないで一体何を栽培するのというくらい栽培の価値があると個人的に思っている。
 栄養価
 Youtubeでもモロヘイヤの水耕栽培があげられていて、この通りに簡単に作れる。
 しかも他の野菜と違って
 ③害虫に襲われるリスクもない。全然虫に好かれないのもポイント。ものすごく簡単。これはもう画期的すぎる。
 ④しかもスーパーで買おうと思うとけっこう高いのだが、種まいて作る分には300円程度で山ほどできる。後は液肥とバケツがいるか。

 まあ結局身体が資本なんで、栄養あるもの食べて真夏を頑張ろう乗り切ろうということが根本にあるんだが、これはもう本当に予想外にうまくいった。こういうことを負担にならない程度にちまちまやってたりする。というか毎年必ずへんなもの、今までにやったことのないものには挑戦するようにしている。でそれによって気付きとか経験とか、そういうものを必ず増やそうというのは意識している。


 ・で、この話を通して何が言いたいかって単なるモロヘイヤのすすめじゃなくて(笑)、「大きい穴を掘るには、まず広く場所を掘ることが必要だ」っていうことを言いたい。
 幅広く様々な経験を積んで、あれはダメだこれはいい、あれは難しいがこれは簡単、こういうコツがあるらしいとかYoutubeで一度とりあえず学んでみたりする、そうした広さが深さのためにはまず必要なんだということ。深さだけを追い求めたってろくな穴は掘れるものではないということでもある。

 そういうわけで、詰み感というものに対してどう戦ったかってまずは幅広く経験を積めということはあるんじゃないかと思う。で、とりあえずオススメはモロヘイヤとした。モロヘイヤ栽培にじゃあ成功したとしてこれで農家やっていけるかなあ?というのはかなり難しい気もするけど、まあできないことはないかもしれない。まあオレはそういう方向はしないで、ひたすらモロヘイヤ食べて栄養補給だとだけ考えて割り切った(余談だがシュウ酸が多くて結石もできやすいそうなので注意が必要。後は一応猛毒が出るといえば出る作物でもあるのでそこも要注意)。


 ・そういうわけなんで、人生も有限だし時間にも限りはある。「人生ムダなことはない」なんてことはオレはとても言えない。ムダなことも多かった。
 ただ、モロヘイヤ栽培を通して何かを掴んだとすれば、それは何らかの形で次につながるかもしれない。それは栄養かも知れないし、モロヘイヤ栽培農家かもしれない、あるいは水耕栽培を通した別のものの栽培かも知れない。それはわからない。
 ただそういう基点となるべき貴重な経験が手軽にできることは確かに言えると思う。
 そういうわけで、モロヘイヤでも食べながら「うまいうまい」と言いつつ詰み感を解消していくのがオレ流なのかなあ(笑)と思ったという話。






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