更生とは






 前々から疑問に思っていたことを、Quoraというサイトで質問してみたが意外と反響があった。

 まあ字数制限はあるしかなりはしょった質問だが、大体の人が本質を汲み取った解答をしてくれた。
 中には意味不明なものもあったが、中には悪質で誹謗中傷、でたらめを並べたててくる輩もおり、そういうのは徹底的に締め上げておいた。
 まあ感想としては、古代中国の「性善説・性悪説」を引っ張り出したくなる気持ちもわからんではないが、その「正解」を現代に当てはめることに疑問というか、それってどれだけ意味があると思ってやっているのか?というのを少し思った。まあそれは性善説性悪説という言葉を使っている側にも問題はあるのだろうが、数千年前の概念を現代に直接適用させてすっきりまとまって満足、ではかなり物足りないなと思った。この現代という時代を前にして、それで立ち向かうことに疑問を持ったりしないのだろうかと思った。
 まあ字数があるからこうなるし、なければないで長々して読みにくいだろうしなかなか難しいところだ。


 感覚としては非常に有意義だった。それこそ更生関連の本を買って改めて勉強したいと思ったくらいに有意義だった。
 疑問があり、それをブログに書いたところで単なるボヤキで終わるんだろうなと思ったところが、たくさんの人が膨らませてくれたおかげで輪郭がくっきりと浮かび上がってきた、それによってより具体的なレベルでこれについて考えることができるようになった。非常に有意義だった。レベル0がせいぜい成長しても1か2がいいところかなあと思ったらレベル5まで上げてもらえた感じ。


 ・しかしなぜ「更生」なのか?
 スーパーフリー事件について調べていたらこういう動画が見つかった。
 奥さんが実はかつて所蔵していたと。で活動していろいろ報酬とかもらっていたのかもしれないが、その被害者が奥さんの顔と名前を覚えていてというもの。読んでいてものすごい衝撃を受けた。誰もが忘れていくし事件は風化していく、しかしそれでも忘れない人たちがいる。そしてその人たちは決して許したりはしないのだ。もちろん完全に主体的にやっていたわけではないにしても、それでもこうして時々こうした何かが起こり、発覚し、そしていろいろな結果へと繋がる。離婚をして子どもは守るということになったりする。こういう現象を見ていて非常に不思議な気持ちになる。
 もはや人ではなく社会であり、世間であり、なんかそうしたものが人の手を離れて動き出す。こういうの人文の社会学で専門的に扱うような分野じゃないかと思うが、それによって確かに結果がきっちりとした形になっていく。おもしろいというとあれだが、なんとも言えない独特な感慨がある。加害者の大多数が裁かれていない事件ではあるのだが。


 ・そしてこの首謀者?である和田という人がいるのだが、間違いなくこの人は頭がいい。しかし良心とか心はすっぽ抜けている感じの人だなという印象があった。
 ところが、自分の父親が(まあ元々あまりいい仕打ちは受けてなかったようではあるが)タクシーの運転手をしていて、事件の関係者か何か相手が分かったということで、されるがままにボコボコに殴られたことがあり、その時初めて被害者の気持ちというものがわかったと。
 この人は頭がものすごくいいようだから、刑務所内でたくさん資格も取ったらしい。人生なんかいくらでもやり直せるさというものもあったのだろうし、事実それだけの実力もあったに違いない。実績もあったわけだし、それこそ引く手あまたといっても過言ではなかったろう。


 ところがそれを受けて初めて衝撃を受けて、それから先はまるで人相が変わったかのようだった。恐らくそれは何かって、人の世界の奥深さ、心というものの重みを知ったことに起因するのだろう。自分自身でも気づかぬうちに自分は「加害者」となっており、それを恨むたくさんの「被害者」がいたということ。そして父親が殴られて「ざまあみろ」と思うはずがそうではなくて、ああ、被害者となるってこういうことなんだとはっきりと悟らされたということ。
 そしてこの人は頭がいい。下手に頭が良くなければ多分人生を普通にやり直すことも十分できたんじゃないかと思うし、第2第3の新しい活動をすることも普通にできたんじゃないかと思う。しかし頭が良くて、事態を完全にわかってしまった。そしてその瞬間に恐らく能力というものが全く意味を為さなくなった。良心に恥じ、やましい感情が生まれ、自分の存在を重荷にすら思うようになったんじゃないだろうか。


 「更生に意味はあるのか」と書いたが、恐らく数少ない更生に意味があるパターンというのがこの人の場合だったように思う。犯したことの重みがわかり、心に深く恥じ入り、それはまさに典型的、理想的な更生だったに違いないし、そのために裁きはあるのだろう。まあそういうことを見ていていろいろ思ったという話です(説明がめんどくさくなった)。





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