向上心について3






 先日の話で最大の矛盾点を挙げるとすれば、ゲームしてるやつがゲームしてたからといってストレートな向上心を「ゲーム的だから」といって持てたらそりゃあこの世界誰一人苦労しないという点だろう。ゲームしてるヤツで優秀なやつはたまにはいるだろうが、ゲームしてる人間が誰しも優秀ということにはならない。そしてむしろそういう向上心の形はゲームではなく、部活動や勉強といったことから人は会得する傾向が強いということ。そしてそうでないなら向上の方法がわからないために、むしろ足を引っ張る形の向上心に進みがちになる、そしてそういう傾向は皮肉なことにゲームしてる人間の方がむしろよく陥るんじゃないかと思うのだ。なぜって楽ちんだから。効率よく相手を蹴落として評価が上がるのであれば、それをしない手がない。そういうのをあっさりやってしまえたりするのだ。


 ・これを体現したゲームがあって、それが三国志8。
 9以降全くやってないのだが最近8がリメイクを出すとか噂が流れているが。
 テキトーに貼った

 このゲーム、とにかく弓が強い。
 ざっくりと歩兵と騎馬と弓がいるとして、騎馬隊と歩兵とで前線を作りながら後ろから弓隊が討つというのがまあ自然で妥当な話だが、なかなかそうなってくれない。特にCPUが操作すると真っ先に突っ込んでくるのは弓隊(連弩車)である。で、弓が壊滅し、騎馬が壊滅し、歩兵が壊滅しという感じで壊滅することになるのだが。プレイヤーがやることというのはこれをきちんと直してやることで、つまり騎馬が盾になり、歩兵も盾になり、弓兵が延々弓を打つ環境をきちんと整えてやることがプレイヤーの仕事だったりする。
 で、そうすると兵士の全く減らない弓兵は後方から延々強力な射撃をし続け、前方に展開している歩兵や騎馬は壊滅したり、あるいは被害を当然被ったり敵に捕らえられたりするわけで、功績がものすごく貯まるのは弓隊だったりする。すると、よく弓隊を率いている夏侯淵とか趙雲とか蔡瑁といったやつはものすごく出世が速い。


 これは不公平だ、と思ったかどうかは知らないがCPUが率いていると弓の趙雲とかが最前線にいきなり現れてきたりする。当然あっさり壊滅させられる。しかしこれは現実社会で考えると当然妥当な手である。ほっとけば勝手に趙雲が弓を打って功績が貯まり、勝手に大活躍してしまうのだから、自分たちは日陰者になってしまいかねない、ならば歩兵や騎馬から考えると真っ先に弓にはとりあえず壊滅してもらわないと困るのである。しかしそうなると敵に大打撃を与えられる弓がいないことになるわけで、当然勝ち目が薄くなる。戦いには勝てない。


 勝とうと思えば弓兵が安全地帯から大活躍するし、弓兵を活躍させたくないのであれば真っ先に突っ込ませて壊滅してもらう、すると火力が足りなくなって当然勝てなくなると。こういう塩梅で話が(ゲームが)進むというのは、恐らくこの現実とかなり近いものがあるのではないかと思うのだ。
 戦である以上勝たなければならないが、勝つにも自分に脚光が当たらなくてはならず、そのためには邪魔な味方をまずは始末すると。


 ・そういうわけで、三国志8はものすごくアホなCPUを作ることに成功したが、このアホさ加減というのが意外とこの現実に非常に近いものがあって、よくもまあこんなものを開発したなあと感心しきりである。





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