地獄の蓋






 最近何かモヤモヤとしたものが頭の中に妙に漂っているというかこびりついている感じがあって、それが妙に気になっていた。オレは何かものすごく大切なことを見落としていないかと思っていたところが、何か夢の中でも何かがあって、多分何かあるんだろうなと思っていたところが、ふと昼間にいろいろやっている時、雨の中でただでさえ不快なのにさらにはゴミが降ってきて、ああーものすごく不快だなーとか思っていた時にふっと何かがよぎる感じがあった。
 で、何か10年近く前のとある日常のことを何とはなしに思い出していた。


 その日常というのは本当に何もないただの日常だったんだけど、その時にオレは話を聞いていた。それというのは日本の自殺率と保険金との関係についての話だった。
 日本というのは自殺が非常に多い国だという話だけど、自殺についてはよほどのことがない限り(つまり首吊りに見せかけた他殺だったみたいなことがない限り)基本的には保険金が下りる仕組みとなっているらしいということ。だから生命保険をかける側もかける側で、事業が失敗しましたとなったとしても、1000万借金を背負ったとしても、生命保険1億おりますからと。そういう安心感をもって自殺できる、つまり自分は死んでも家族は守られるという強固な仕組みがあるということ。そういう事情があるということをオレは何の気なしに話だけ聞いていた。ふーんと言っていた。なぜかその場面を思い出していた。
 そこでふと我に返るのだが、なぜこの場面をオレは思い出したのだろう、もっといろいろどうでもいい場面はあったはずなんだが?と思っていた時に電流が走るような感じがあり、ふと全てが一本に繋がった。ああ、そういうことだったのかと。まるでそう、何かがオレに必死に何かを伝えようとしている感じがあり、そう言われてもなあ?と思っていた感じ。そしてようやく時間がかかったがオレはその真意を理解した。これですべてが一本に繋がった。


 ・オレが隣町へ出て働いていたのはまあ人助けのためだったんだけど、今思い返してもすべて投げ打って苦労も顧みず毎日必死で仕事も4つくらい掛け持ちしてでもなんとかしようとしていたあの時はまあ本当に大変だった。大変だったし寝る暇もなかったし休みなんか当然全くなかった。仕事しつつ頭の半分は休んでいるような感じだった。
 まあオレもお人よしが過ぎたと思うしもうそんな(バカな)ことは一生やらないと思っているだけど、ただ思うのは一生のうちタイミングが合うとか、助けに行ける余裕があるとか、本人の性格がどうとかめんどくさいとか自己責任だろうとかでそこまでどっぷりと人助けをすることなんてのはまあまずないことだと思う。それこそ99.99999%くらいの人はそこまでして人助けなんかしないだろう(できないだろう)と思うわけだ。当時のオレはアホだったが、アホなりに誠意があったなあなどというのは思うわけ。どん底に落ちた人間を助けるためにオレもどん底に入って助けようなんてのは。かなりレアなことだったと思うし、オレという人間もかなりレアな部類だったと思うが、それくらい必死だった。それこそ当時は毎日あちこち駆けずりまわっていた。


 で、話は戻すがなぜその保険金の話が出てくるかって、話はものすごく簡単で、オレには生命保険がかかっていた、その葉書もなぜか2回くらいオレ当てに急に送られてくることがあって、その昔親がやったものだったんだけどオレには少なからず生命保険が掛けられてたわけだ。万が一死んだら葬式代くらいのものではあるんだが。


 そういうことを含めて一本に繋がったわけだ。つまりどういうことかというと、オレを経済的に追い詰めれば恐らくオレは自殺をするに違いない。自殺をすれば生命保険が下りることが分かっていた。だから生半可な額ではなく徹底的に追い込む必要があった。まあ今となってはもう昔の話だが、1000万の負債ってけっこう絶望の一歩手前みたいな額で、恐らくそれを「いいぞいいぞ」と思っていた節があるわけだ。そしてストレスから身体を壊し(実はこれもけっこう疑ってて、恐らくこういうことを考えたらバレにくく気付かれにくい毒というものを使っていた可能性は今となってはあるなと思う。具体的には知らないけど、今思い返せば20年前くらいにキョウチクトウの毒による前科があった。そういう意味での一線を普通に超えられる人間ではあった)、そして額がいっぱいになったのをオレから聞いてそのままそこを去ったと。
 つまり明確にオレを殺そうという殺意は当時あったんじゃないか?と思うと不審な点から不審な行動まで全てが一本になったのだ。じゃあなぜ殺そうとするかって、自殺に追い込むことによって数千万程度は下りると見込んでいた、そして数千万あれば少なくとも数カ月や数年は遊んで暮らせるくらいの額、そしてそれによってラクに(これキーワード)かつ大金を手にいれられるのであればそういうことを考えても不思議ではないということ、というかそういう思考を恐らくするだろうなとあたりを付けた方がよほど自然だったということ。


 そして窮地に至ると急に遺産とか保険金の話を出してくるということ。これも意味が解らなかったが今となってはわかる。人が死んだ時にどのくらいの額が動くか、そしてそれは果たしてオレのものになりそうなのかを大体ここ20年くらいはずっと意識していたということ。そういえば死んだ祖母に対して死んだら遺産はオレ当てにしてくれと言っていたことが生前にあったっけ。つまり日常的にそういう範疇で考えているために、ふとした拍子にその範疇が割れてしまうというのもある。


 それにしては自分の手口をあけすけに言い過ぎなんじゃないか?という疑問もあるがこれもけっこう簡単な話で、すぐ忘れる単純な生き物が人だと基本的に高を括っているということ。他者を根底で侮っているがために、こうこうこうすればコロッと忘れるとかすぐ調子に乗せられるということ、要するにちょろいと思っているがためにそういうことをして杜撰でも気にしない節がある。
 ましてや、その話している相手が近い将来死ぬと確信している相手ならば何を躊躇する必要があるだろう。


 そうして考えていくならば、最大の誤算は恐らくオレが1000万の負債を背負っても身体を壊してもまだ生きているということ、これが恐らく最大の誤算だったに違いない。そして当然忘れる一方の愚かな人間がこうして時々謎に過去10年前の何気ない世間話なぞを思い出す、謎の驚異的な記憶力があったりする(まあ人間はただ出せないだけで全てのことを記憶している説もあるのだが)こと、恐らくこれも誤算だったのだろう。そしてもう一つの誤算は、得意技の毒を使えなかったということ。当然だが死後にバレるわけだから強いものに関してはそう簡単には使えなかった。つまり結果的にはそういう制度の存在がオレの命を守っていた可能性はあるということ。恐らくここらへんが組み合わさってすべての計算が根本的に狂ってしまったに違いない。
 そして仮に負債が結構な額で飛び火してきたとしても生命保険が降りてくるので余裕でお釣りがくると思っていたところが、オレが生き残ってしまったがために請求書だけ残る結果となった。なぜこうなったか?ってオレが生き残ることを計算に入れていなかったから。ほぼ間違いなく死ぬと思っていた節がある。だからまさかの生命保険額がゼロだったというのも想定外だった。



 あと思ったのが
 このウメハラさんの動画の後半である「囚人のジレンマ」の話。これおもしろくてまさにオレに関わってくるんだけど、仲間を売って(あるいは見捨てたりとかして)それでも生きるってそれ楽しいか?という話。オレはそれを選ばないけど、でもこの世の中にはそれをやって身内を殺してそれでもラクに暮らしたいって人は確かにいるし、それも恐らく一定数いるんだなってこと。その認識は重要なんじゃないか?と思う。でないと毎日これでもかと異常なニュースが流れることはないわけで。


 まあそうは思ったわけだけど、人っていう生き物が根本的に動物を殺してステーキ食らって楽しく生きる生き物なんで、まあそこまで悪くは言えねえよなあとは思う。人の性質って基本的に悪に傾いているんだなと思う(しそれを悪いとも思ってない節すらある)のでオレだってそういう部分はあるとは思う。そういう意味では別にそこまで悪いとは思ってみてない。
 ものの。
 ただそれにまつわる悪意とか殺意とかを明確に表して証拠や発言を数々残しておきながら、同時に自分を助けに来た(稀有でレアなはずの)人間をありがたいと思う以上にぶっ殺してまで己のああーラクして金欲しいななんかねえかなという思いを優先するような人間、そこで恩を仇で返すことに何の違和感ももたないような人間に果たして今後幸せが訪れるもんなんだろうか?というのは思う。これというのはけっこう決定的で、恐らく人生っていうのはいろいろな運不運もあっていろいろ分岐も妙な形であるとは思うわけだけど、このことというのはもう否定しようもないくらい決定的に人生の形を決定していると思うわけだ。つまりどういうことかって、違う人生があったらその先で恐らく別の人に対して恐らくやっていたろうということ、どう転んでも何かの拍子でやっていたろうこと。
 そういう意味では恐らく人生いろいろな可能性はあるものの、大筋は間違ってはいない、そしてその中でも最もダメージは大きかったものの被害は少なかった可能性の一つ、といえるのかもしれない。


 こういうマジメか妄想かわからんような危うい話をこうして書いているが、普段ならいやいやさすがに考えすぎ、それはさすがに妄想だろうと簡単に打ち消せるような話を打ち消せないでこうして書いていることがけっこう切ないという。








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