クラナド






 今日雨に降られてずぶぬれになり、くっそおおおおずぶ濡れかよおおおおと思っていたらなんか急にいろいろ閃いた。ずぶ濡れは勘弁だが、たまにはこういうこともいい刺激になるのかも。とはいえその時ビビっと来て繋がったことの8割方は忘れてしまったのだが(笑)
 例によってネタばれとか全く気にしないで書くのだが、けっこう不快なこととかなんとかあまり気にしないで書こうと思う。つながったのが悪い。


 ・正確にはクラナドと「火」について。
 クラナドっていう作品は火というものとの関係性が非常に深いのが特徴の一つではないかということをふと思った。主人公の岡崎朋也はある時まで順風満帆な人生を送っているが、肩が上がらなくなり不遇な人生を送る。その後も仕事でうまくいったかと思えば父親が逮捕されてすべてが台無しになる。父がクズ人間であること、事あるごとに足を引っ張ってくること、そのことを別に反省しているでも何を考えているでもなさそうな態度、そういうことが癪に触る。
 そこで朋也は癇癪を起す。壁を殴りつけている時の智也というのは自分の人生を歩み大切にしている智也とは別である。そういうことはもうどうでもいい、あの父親と関係性をもっているだけでこうして足をいちいち引っ張られるということよりも、そういうことで干渉され崩される脆い自分の人生を嘆いている。そういうものを含めてすべてを、特に自分の人生を破壊したいと思っている。そういう場面で智也は渚に「結婚しよう……」と言うのだが、これは全く本意ではなくむしろ破壊衝動から出ているものであり、みじめったらしくみっともない自分とその人生、関係性を前にして当然幻滅して自分から離れるだろう、当然見捨てるだろう、幻滅されるだろうという期待から言っている。
 ところがこれは受け入れられる。んなアホなっていう展開で、そういう展開の多さっていうのはクラナドの一つの特徴なんだろうなと。燃え尽きてやる気を失う。なんか興味の対象を見つけておもしろそうだなと思う。感情移入して応援する、支える、そしてすべてがうまくいっていたら急に転落。まあまたこんなもんかと燃え尽きる。その繰り返し。どっかでパッヘルベルのカノンは「同じことを繰り返しつつも少しずつ豊かになっていく」とか言っていたが、クラナドの場合は真逆で、同じようなことをいくら繰り返してもムダ、結局は無気力で退屈、何も変わらない、あのクズの父親のせいだというループを延々辿っている。


 ・ところでただ単に名作を作ろうと思うのであれば半分で、つまり1の学園編の途中でそこそこな感じで終わらせれば非の打ちどころのない名作だったと思うが、2を開始した。2は本当にそういう泥臭い描写がものすごく多い。でも結局はその泥臭さがより名作にしているところもあるとは思うものの、一つの問題を抱えることになった。
 それは何かって言えば、その泥臭くみじめったらしい人生の先にはきっといい人生があるとか、そういう希望がある、豊かな人生がきっと気づいてみればあるというそういうものを提示しているとは思うものの、その概念をこのリアルに落とし込んでいくといつかこの人生はそんな素晴らしいものを示してくれやしないし、そういう装置も隠していやしないという残酷な現実に気づいてしまうという点で矛盾が生じるということ。それが「まだ」示されないのか「もう」示されることはないのかなんてことはわからず、期待してじっと待って耐えているうちに人生も大半が過ぎてしまった、ああオレの人生全く豊かではなかったとなりかねない。つまりは騙されたという要素を抱えかねないということが恐らくはあった。
 そういう意味で、あの京アニ事件で燃え尽きて黒ずみになったあの建物っていうのは、あれから感じる何かもやもや感というのは一体何なんだろうなあと思っていたけど、今思えばあの建物というのはどこかクラナド的だったんだなと。まあそんなん書いたら「そりゃああなたの感想ですよね!?」なんて言われかねないし、そう言われたら「はいそうです」というしかないんだけど。ただ小説をパクられたからという理由付けよりは、クラナドを見て感動した、だから今まで頑張って生きてきたのにそうやって生きてみた先には希望も夢も何もなかった、騙された、許せん!という感覚があって、そういう感覚的なものをオレがそうじゃないかと思ってみた方がオレとしてはしっくりくるなあと思ったということ。しかも京アニで事件を起こそうっていうんだから京アニとクラナドのことを相当好きなんじゃないかと思うし、そうやって考えるとクラナドにかつてどっぷりとハマっていたと考える方が非常にしっくりくるような気がした。


 ・そういうわけでクラナドは20年前くらいに見ていたが、2~3周目は非常に良かったんだけどその後はあまり感動しなくなっていたので全然見てない。思い出したタイミングで見て見ようかと思ったがそんな時間がもったいないので脳内再生で終わらせようと思うのだが、もうじき年末年始になるので興味を持った方はクラナドを見てみることをオススメしておくことにする。



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