gokiburi






 うつむいて歯磨きしていたら、何かが背中をなでていくような感じがした。
 げげ、この感じはまさか……とおそるおそるその何かが通り過ぎて行った先を見ると、案の定gokiburiである。しかも二匹もいる。うげげげげ、と思わずおもいっきりぶっ叩いてしまった。


 しかしこのgokiburiという生物、考えてみると不思議な生物である。ハチやマダ二と違って人の命を脅かすことはない。青虫とかそういうやつならば作物に被害を出す。ところがこいつはそこまでのことはない。にもかかわらずこいつはそれらを遥かに上回る規模で嫌われている。考えてみると可哀想なやつである。まあだからといって手心を加えたりなどは一切しないのだが。


 忌み嫌われても、なぜか異常に嫌悪されていても、生きる権利はある。そういう意味ではこのgokiburiというやつは自らの生きる権利を自らの存在をもって主張し続けている気高い存在だともいえる。自らの存在をもって人々から差別されても、忌避されても生きる権利があると声高に主張しているのだ。そう思ってみると、背中に触れていったのに何か意味深なものを読み取ることもできそうである。まさか死んだじいさんが死後にオレになにか伝えたいことがあって自ら進んでgokiburiと化して何かを伝えていったのかもしれない、というか現にこういろいろと考えている以上全く無意味だったわけではない。そうか、ご先祖さまがオレにぶっ叩かれるリスクを顧みず、何かを伝えようとしてこうして現世に表れてきたのかもしれない。まあ全力でぶっ叩いちまったけど(笑)
 最低最悪でも生きろ、嫌われてでも石にかじりついてでも生きろ、というようなことをご先祖さまは言いたかったのかなあ、などと思ってみたという話。


 しかしそれにしてもこのゴキブリというやつは、というか日本人は例えば合意というと大した事なさそうだがコンセンサスが取れましたというといかにも仕事やった感が急に出てくる、となるとこういう横文字ってやった感出すのにいろいろ都合良さそうだと思ってみるのだがことゴキブリに関しては一切そうした効果が見られないのはなぜだろう。アルファベットが並んでいると急に高貴で気品ある感じがしてくるので、いろいろリスペクトしてgokiburiとしてみたんだが、果たしてここにある高貴にして気品ある感じは伝わっただろうか。






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