キイロスズメバチの組織






 今日終わって数えると、359匹だった。
 多分まあまあな大きさの巣だろうと思っていたのだが、終わってみると(まだ終わってないのだが)かなりの大きさの巣で、しかもまだ二割方くらい元気なやつが残っていることを考えると、二年前に捕ったやつよりよほど大きな巣だったのではと思った。


 ・初期から中期への移行ってどのタイミングなんだろうかなあと思った時の目安っていうのは、恐らく巣の周辺で警戒していて普通に襲ってくる連中が壊滅したくらいの時期をもってになるのではと思うのだ。下手すると巣の周辺に敵がいながらも一匹も出てこない時なども発生すると。明らかに元気なやつが全くいなくなる瞬間があるのだが、そういう時に外に出ていたやつが帰ってきてようやく騒ぎ出す流れになる。
 まあ普通に警戒して普通に暴れまわるやつがいなくなったらもう初期は終わりで、巣は大体これくらいの時に大規模な損害を出しているのではと思われる。それが5~6割くらいの時なんじゃないだろうか。


 ・ありんこ理論とかいうので、2:6:2の法則かなんかが以前出されているのを見かけたことがある。どんな組織も優秀なやつ:普通なやつ:なんかわけのわからんことをしているやつを比べると、大体2:6:2くらいになるのだとか。
 それをこのキイロスズメバチの組織について考えてみると、大体6割くらいまではものすごく性質の似ているやつが多いことに気付かされる。すなわち、外敵とみると速攻で襲ってくるやつ。勇猛果敢で、他のやつよりも一瞬でも先に襲おうとしてくるやつ。なんなら「一番槍」なんて言葉をいまだに名誉だとでも思っているのではないかというようなやつがものすごく多いのだ。


 それが6割くらいいなくなった時点で、明らかに方向性が変わり始める。ブンブンと飛び回るだけで近寄ってはこないようなやつが明らかに多くなる。警戒しているとか慎重だとか臆病だとかいろいろ言いようはあるだろうが、要するに外敵を見ても襲ってはこなくなる。異音や異臭などがあっても気性を荒くして顔色を変えてとびかかってきたりはしない。こうなると外敵の側からすると新たに攻略法を考えないといけないので少し困る。
 そういう状態でさらにがんばって取っていくと、8割くらいまで取るともう巣の周囲に脅威があっても完全に無視するようになる。要するにそんなに出来は良くないのだろうが、外敵に構って巣が完全に崩壊するよりはマシだということなのだろう。彼らは真面目ではないだろうし、勇猛果敢でもないかもしれない、何なら臆病なんじゃないかと思うが、しかし賢いとも思う。だがスズメバチの組織が賢くて外敵を全く襲わなくなるのだとすれば、それが臆病であろうと、慎重であろうと、賢明だろうとなんであろうともうスズメバチらしい特徴はほぼ全くなくなるわけだから、いってみれば巣と組織の崩壊そのものであると言っても過言ではないだろう。勇猛果敢をウリにしてきた組織が賢明さをもって成り立っているのだから明らかに事態は変わったといえる。「勇猛果敢なんてバカのやることだよ、オレたちはそんなことしないよ」なんてやつが幅を利かせるようになったらある意味組織は終わりというか、たまたまこうして目撃しているのはそういう組織崩壊に向かっての変遷、つまり勇猛果敢グループがお利口さんグループに取って代わられた、みたいなものなんじゃないかなと思うと、非常にこれは興味深いなと思ってみていた。
 確かにそりゃこっちから見ると厄介だけど、組織としてはこうなっては終わりで、内部もいろいろ大変なんだろうなと。


 ・ハチをとるやつ全部を最高に強くした電圧のでやるのではなく、中にダミーとして弱いのを混ぜておくのはありだったなと思っている。というのは、そういうのにかかっても生き残れるやつが増えることになるわけで、ニセ「歴戦の勇士」がこれによって生まれてくることになる。あれは大したことないから大丈夫だよとなめてかかってくるようなやつが、経験が下手にあるようなやつが増えると、その経験知によって罠にかかってくれるやつが増えることになる。
 そうなるとなめてかかってくれるわけで、強力なやつにかかって「うぎゃあああああ」となってくれたんじゃないかなあと。そういえばそんな現象があったなあと前回もふと思ったものだった。前回はたまたまそれをできていたので、一気に壊滅までもっていけたけど今回それがとどまっていてなかなか進まないのは恐らくダミーを混ぜてなかったからだろうと。ダミーによってニセ歴戦の勇士が増えてくれることで、初期→中期からそのまま後半へと進むことは可能になるだろうが、これがないと中期から後半へと進むのはなかなか難しい。工夫したりして敢えてがんばって取らないといけなくなるので、効率が下がることになる。
 強電圧のを使うとベストで楽に見えるけど、そこにも少し手の込んだことをしておくと後々生きてくるという例ですね。






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