そういや初めてアフリカに行くにあたって、なんとなく写ルンですを買った。写真撮るならカメラ欲しいなあと思って買ったんだが、当時すでにスマホは持っていた。スマホで写真撮ればいいということに気付いたのはそれからなんと数年後で、仕事の最中にふと、あれ、あの時スマホがあったならカメラいらなくなかったか?と気づいて、それからスマホで撮影するようになったという。今から考えれば異常なほどそれに気づくのが遅かった。当時それに気づくほどの余裕もなかったのかもしれない。
・で、なんかアフリカを撮りたいんすよねみたいな世間話をしている時にお前カメラ持って来とるんか(デジカメとなると可搬記憶媒体とかいう話になってうるさく言われる、というか許可がなければ船に持ち込めない)という話になって、
「はい、バッチリ持ってきてます!」
と言ってバッグの最も取り出しやすいところからさっと取り出したのがその写ルンですだった。なんとなく一同唖然としてるような気が、とその時思ったが、多分当時ですでに写ルンですは時代遅れだったってのがあるのだろうし、そもそもスマホで撮るってのは多分誰も当然のこととして既にあったのだろう。なんとなく自分の中ではその可搬記憶媒体がどうこうというのを見事クリアしてるぜ、どや!みたいなところもあった気がする。
で、その写ルンですが衝撃的だったようで、とある上司の人が堅物だなあと思っていた人だったのだが、
「う、写ルンです……」
と言って笑っていたのが印象的だった。なんとなくツボに入ったようで、結構長いこと笑っていた。
・大切に大切に撮ろうと思っていたところが、終わってみるとたった4枚しか撮らなかった。大切にしすぎて結局使わないという。大変もったいないことをしたものだった。しかもその4枚ってのがアフリカの異常に瘦せこけた野良犬とか、野良ヤギとかそんなのばかりだった。
・余談だが、ソマリアのスーパーはフランス語で書かれていた。詳しくは知らないがもともと植民地か何かだった関係なのだろう。大学で学んだっきりで完全に忘れていたフランス語を脳みそをフル回転させまくっていたら急に読めるようになったという経験をしたのを覚えている。危機に瀕して脳みそが覚醒し始めるというか、万が一の危機に備えて回り中のものが急に読めるようになり始めるのだ。となると普段はインプットされるだけで出す方が全然使われない脳の能力も、背水の陣となると120%くらい力を発揮してアウトプットできるようになり始める。逆に言えばそこまでしないと脳みそは働かないということでもあるのだろう。
いろいろあったはずなんだけど、思い出すものもなく写真もないとなると忘れていく一方でなかなかに寂しいものがあるので、たまの機会に思いだすのも大切だなあと思う今日この頃。
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