タクティクスオウガについて考えるときに思うのが、主人公であるデニムに対しての他人との温度差であって。まあ物語の主人公でもあるし、話が名作であるのもあって誰も話すときに感情移入した結果としてデニムを語るわけだが。それは仕方のないことでもあるし、むしろ自然なことだと言ってもいいのだが、基本的に私はデニム君はクズだと思っているので(笑)、ケンカの原因となるとすればこの温度差が原因なのかなと思うことが多々ある。
そういうわけで古今東西まれにみるほどのクズがデニム君であるという前提に立っている。
①Lの場合
Lの場合は本当にクズで(笑)、自分たちの同胞を虐殺した上にそれを敵側の仕業になすりつけようというとんでもない思想に同意した人物が子のデニムとなる。
多分あまりぱっとしないとは思うものの、これをウクライナ戦争に照らし合わせて考えるならば、この作戦の効果的であるさまと非人道的であるさまとが如実に感じ取ることができるのではないだろうか。このデニムの賛同している思想がいかに危ういか、極めて非人道的であることにすぐ思いがいくと思うし、これを反省したからと言ってとても許されるものではない、しかしそういう視点がLルートを経ることによって感情移入してしまいすっぽりと抜け落ちているのだとすれば、それは本質を欠いた極めて危ういことだと言える。
②Nの場合
これまた相当なクズっぷりで(笑)、この場合デニムは虐殺の真相を知っているしロンウェー侯爵とレオナールがいかにあくどいことをしたかを知っている。だからこそ真に戦うべき敵は誰であるかを一番知っているはずのデニムが
「本当の敵はバクラムなんだ……」
と急に親の仇の事情を思い出して、その結果とんでもない巨悪の存在を忘れるという(笑)、その上その巨悪にまた手を貸すことを約束してしまう上に、今まで巨悪に立ち向かうということで賛同してきた仲間たちがいたというのに、その仲間たちの思いや思想を踏みにじって巨悪の見方になる以外の選択肢がないようにしてしまうという、改めて考えるまでもないクズっぷりを発揮することになる。しかも一度裏切った仲間のところに帰るのだから、その後の生活が針のムシロ生活であるのは言うまでもない。
③Cの場合
多分これが一番まともな道なんじゃないかと思う。
というより、「クズと言われない道」というものを考えるならば恐らくこれは唯一の道だと言っていい。しかしこれはこれで「虐殺の犯人はデニムだ」ということになって懸賞金が懸けられ、明日の命さえ危ういという事態に陥ることになる。その後はレオナールによってデニムへ解放軍が無条件降伏することで話が収まることになる。
まあ現実的には少し考えにくい展開かなと。
・そういうわけでデニムという主人公の70%くらいは正真正銘のクズでできているわけだけど(笑)意外とデニムをクズだなという意見は多分ネット上でもあまり見かけなかったので改めてこうして書いてみたものである。最も嫌われているのはカチュア姉さんではあるが、多分リアルにそばにいたら最もヤバい人第一位はデニムになるんじゃないかなと思うのだ。
まあヴァイスとかも大概ではあるけれど。
この記事へのコメント
改めて見ると、Cルート以外のデニムくんって、ほんとにひどいやつですね。私もタクティクスオウガは、全ルート一通りやりましたが、Cルート以外には、進みたくないと思います。
Lルートデニムの説明でウクライナ戦争に触れられていますか、言い得て妙だと思います。ロシア側ばかり悪い面がフォーカスされてますが、じゃあ無理やり国民を徴兵して欧米諸国から資金や武器を集り、その兵器でロシア人やロシア本土を攻撃するウクライナって正しいのかって思います。私には、ゼレンスキーがロンウェー公爵のように胡散臭く思えるんですよね。現実でも、Cルートのガルガスタンを圧倒す?解放軍みたいな存在になってますしねウクライナは。
きんた
そうなんですよ。
まああまりウクライナ側を叩くのは可哀想ではありますが、ただウォルスタ側とよく似ているとなると、ロシアの報道を信じるってのもあれではありますが、確かブチャの悲劇だったか、ロシアは否定していましたが、まあ似たようなことは多かれ少なかれ起きてもおかしくないと思うし、少なくとも状況は酷似していると思います。切り札のバルマムッサを切ったという印象がありました。
またウクライナが正義の御旗を立ててさえいれば何をしてもいいわけでもないはずってのも重要でしょう。
そして多分そういう視点をつっこみつつニュースを見られるというだけでも、タクティクスオウガの立ち位置がいかにものすごいものがあるか。これが30年前に作られているというのがある意味奇跡だとすら思えます。先見性に優れていると思えますが、まあそのくらい歴史上人は同じようなことを繰り返してきたのかもしれませんね。