蛍雪の功





 先日統一教会がらみで大学の頃を思い出したからか、なんとなく最近当時のことをよく思い出す。



 ・当時はやたらに勉強ばかりしていた。よくわからなくてもとにかく本を開き、何かの勉強をしていたししなくては気が済まないかのようになっていた。
 朝から夜まで勉強していたが、それも物足りないんじゃないか、夜10時で図書館は閉まるけどそれで本当にいいのか、もっとやった方がいいのでは、と考えて家に帰ったらどうせ寝てしまうだけなので、大学の自販機エリアで勉強をすることにした。10時から12時まで。たった二時間ではあるが、この二時間の追加は今後に大きく影響してくると考えていた。自販機も5台だか10台くらいあったので、かなり煌々として明るい場所だった。
 そんな感じでとにかく毎日黙々と勉強をしていた。何を勉強していたかは忘れたが、とにかく何かを勉強していた。




 ・その当時、部屋によくゴキブリが出て困っていた。
 部屋もすっかり片づけたはずなんだが、とにかく毎日2~3匹は出る。
 これではすっきりと寝られない。
 これはお隣さんか、ったくしょうがねえなあと思いつつ、毎日毎日ゴキブリを始末していたものだった。




 ・そんなある日。
 その日も12時まで勉強をして、次の日の食事をスーパーで買って、自転車をこいで家に帰ろうとしていた時のことだった。
 急に土砂降りの雨が降ってきた。
 だが、まあもう家に帰るだけだし、のんびりと濡れながら帰りますかーと思っていた。


 その時だった。
 服の中を何かがゴソゴソと大量に動いているのが分かった。


 「……???」
 なんだろうと思って触ろうとした瞬間に、電気のように何かが走った。
 「そうか、そうだったのか!!!
 謎は全て解けた……」



 自販機エリア周辺にはたくさんの缶捨て場があったのだが、そこには大量のゴキブリもいたのだった。
 そのゴキブリたちが二時間勉強している間に私の服にくっついて、それをくっつけたまま家に帰る。
 だから毎日部屋にゴキブリが出てくると。
 そういうことだったのだ。


 その一件以来、自販機エリアでの勉強はやめてしまった。多分一か月もしていない気がする。
 しかしその他のことはすっかり忘れても、その事だけはいまだによく覚えてるなあ。
 とかそんなことをふと思い出したという話。


 蛍雪の功ったってホタルも出なけりゃ雪もない。
 あるのはただゴキブリの群れと自販機の明かりで蛍雪の功、とそう言いたかっただけという至って殺風景なお話でした。しかもそれを連れ帰ってるのは自分だし、それをずっとお隣さんのせいにしていたというですね。




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