あかおにの攻略ということだが、大体のことについては前回書いた通りだし、攻略法を考えるとかそこまでしなくても勝てるというのも書いた。
しかしじゃあなぜあかおには弱いのか。
そんなにあかおにはダメなのかということについてはまだ考える余地が残されているといえるだろう。
5年や10年といった短めのスパンで考えると、あかおには意外と上位にくることが多い。これにはそれなりの理由がある。
・まず、目的地を目指すということは意外と合理的ではないということ。莫大な賞金がもらえるので当然行くものだとなりがちだが、ムリしていった後に果たして何が残るのか。賞金はもらったものの物件の購入にお金をギリギリまでつぎ込み、そのまま冬の赤マスにハマって借金、物件を売却というパターンは意外と多い。賞金はともかくとして、物件はそこまでして買わないといけないものなのか。ここはかなり重要な点だと言える。
なぜそこまでして我々は物件を買うのか。
例えばこの画像。
なんてことはない普通の旭川だが、意外と重要な情報が含まれている。
「旭川ラーメン屋」の収益だが、収益率は「50%」ということだからつまり具体的にいくらになるかと言えば決算のたびに500万円がかえってくるということになる。わざわざ1000万円かけて買ったのに、決算のたびに500万しか返って来ないのだからはっきり言って損である。つまり、1000万円かけて買ったこの旭川ラーメン屋からトントンになるまでいくらかかるかといえば最低でも2年かかることになる。2年かかってようやくトントン。3年目でようやく500万円のプラスが出てくることになる。もしもこの物件を借金で売るとなると1000万円で買っておきながら500万円で売るわけだから、その差額である500万はただのマイナスということになる。最低でも1年、つまり次回の決算まで持ってから売る、これでようやく1000万円でトントンになるわけだ。
そうなると、目的地についた、やあ儲かった儲かったとなって早速物件を購入しようとなるわけだが、はっきり言えばこれは間違いじゃないか、少なくとも完全な正解だとは言い難いのではないかということになる。物件を購入=儲けだと早合点してしまいそうになるが、買っただけでは別にプラスになるわけではない。それどころか決算がこないうちに借金を背負ったら完全な赤字である。それは別に独占したからといって変わることはない。独占しても維持ができなければ意味がないのではない、完全なマイナスだということになる。
・そういうわけで、目的地に到着するということは手放しで喜んでいいというような話ではないということを書いた。
そう思ってみると、あかおには目的地をなかなか目指さない。延々と青マスを追いかけ続ける。そしてこれは意外と合理的なのだ。特に夏場に集中して青マスに入り続けると1億程度なら貯まっていることが多い。これを2年くらい続けてみると目的地に入った分くらいなら意外と稼げるものだ。
目的地になかなか入れない三人が1年2年と悪戦苦闘して脱落している間に、あかおには悠々と1位となっていることがあるものだ。
・つまり、どういうことかといえば、あかおには「足し算の論理」で動いている。毎回青マスに入っていれば右肩上がりは続く。その右肩上がりを維持してさえいればいい。それができるならば、理屈上はマイナスになることは絶対にない。
これは非常にしっかりしたものの考え方で、もし現実にこれを適用してそのまま生きていける人間がいれば、その人はこの社会で最も強い部類になれるといっても過言じゃない。そのくらいすごいものだ。具体的に言えば、毎月しっかりと収支を計算して、じゃあこれだけ貯金しようと考える。貯金額を常に右肩上がりになるようにコツコツと努力していく。そのためにできる限り工夫して青マスに入るように心がける。こういうことが実際にできるヤツはものすごく強い。「資産」を「運用」するという方向性がそこに見える。
ところが、その理論上最も強いはずのあかおにはこのゲームでは最弱となる。なぜかといえば、貧乏神=キングボンビーの存在と、それから「かけ算の論理」がある。
・かけ算の論理というのは、先ほどの旭川に戻るが
計算してみたらパルプ工場のこの10億なんて額最初では買えないし、したがって独占できない、ということは収益としては3年目でようやくプラスにあがるようなこの旭川ラーメン屋、これをなぜ我々は敢えて買うのかといえば、これをもし10年持てれば5000万儲かるという事情があるからだ。結局物件を買うなんてマイナスな行動をなぜ我々はやるの、ということになるとそれが長い目で見れば儲かるからだとしか言いようがない。
この1年で500万の旭川ラーメン屋も10年持てれば5000万、100年で5億、まあ100年目はないので99年目で4億9500万円を稼ぎ出すことに成功するほどの存在となるのだ。
・青マスを目指すあかおには、5年10年で見れば上位にいることが多い。青マスのプラスを続ければ右肩上がり、右肩上がりを続ければ1位にもなれるというのは非常に正しい。そしてその正しさがあるために、5年10年といった短いスパンではあかおには勝つし、勝ちやすい。短期を勝つならばあかおにの動きの方にむしろ合理性があるといっていい。
そしてゲーム内では常に最下位となるあかおにだが、この「足し算の論理」の考え方とその有効性というのは現実の我々にとってかなり有意義なものだと言えるのではないかと思う。ゲーム内では最弱だが、現実においてあかおに思考ができればそいつは強いのだ。
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