穴を掘る話






 今日だったかセンター試験……今は共通試験とかいうらしいが、それがあったという話で。自分もかつて受けた口だから思うのは、センター試験というのは結局穴を掘る範囲を平面的に広げる行為なんだと個人的には思う。
 穴を掘る。社会人というのに求められているのは穴を掘る行為であって、それを一般的には「仕事」という名称で呼んでいるのではと思うわけだ。
 じゃあどういう穴を掘るかという話になるが、そもそも鉱脈のある場所が分かるのであれば、センター試験など受ける必要がない。あくまで穴を掘る場所を変える行為なわけだから。中卒だろうと高卒だろうと、大卒だろうとそこには関係がない。そうしてじゃあ何を狙うのかという話だが、
 ①何もない場所を掘る
 ②温泉を掘る
 ③石油を掘り当てる
 ④そもそも掘ることをやめる
 穴を掘ることにはこういった狙いがあるわけだ。今の時代に院卒が行方不明になるとか失踪することが多いというのはそもそも院卒には日本での採掘権が与えられないという話だろうし、大卒だからといって②や③の権利が与えられるわけでもないというところはミソだと思う。しかも奨学金という名の学生ローンを背負ってまでやることなのか、その先で①の権利しか与えられないのであれば、もう少しやりようはないのかということでもある。
 そしてうまく②の権利でも与えられればしめたものであるが、しかし問題もある。温泉の出る量には限りがある可能性があるということだ。従って、うまくいくということはそれはいいことではあるが、実際にはいつまで出るかはわからない。いや、それ以上に問題なのは、出る温泉を利用した温泉ビジネスというのはもう何十年もやっていて、それさえすれば確かに生活自体はなりたつが、でもそれ自体は日本の最大HPを上げるような働きはかなり薄いということでもある。最大HPの減少、これが日本の現代の問題をもたらしてきた元凶なのだから、なんとかしなければならない。
 じゃあ③石油はいいね、ベストだねということだが、確かに日本はみんなでがんばって石油を掘るということをしてきたし、恐らくはそれが日本のビジネスの根底にある一種の理想形を作っている。自動車ビジネスなどはその最たるものだろう。ところがそれがなぜこうもうまくいかなくなっているのか。それがベストなのであれば、なぜ現代はこうなってしまったのか。これについてもっと考えられる必要性がある。必要性があったのだけど、日本はそこに対して考えるということをしてこなかった。あったのはただ「ここは③の石油エリアであり、ベストなんだ」ということだけだった。なぜベストなのか、どのようにしてベストなのか、そして今後もベストなのか、そういうことが考えられなかった。もっといえばこのエリアはベストだった、それだけに再考される余地がなかった……その意味ではアップデートされる余地すら剥奪されているということでもある。
 しかしまあ②や③を酷評はしたが、それでも①やまして④に比べればはるかにマシではあるのだが。


 そしてもう一つの問題は、一仕事一給料というこの形式であり、これに基づいた固定概念、これが日本人にとってとてつもないハンデになっているということでもある。別にそれ以外の形でも良かったろうものが、それ以外の「形」について考えることができない。これがマジメな日本人にとってものすごいハンデになっているということであり、じゃあ二仕事二給料という形のいわゆる副業をしようよということになるだろうが、この先にあるものは何かといえば、過労死ラインなんだけど過労死に認定されないという地獄であり、そういう進化をしてる例は多いなと。それこそ限りなくボランティアに近い形で働いて、温泉の儲けも石油の儲けも人に上げる、人の財布に掠め取られているといったような結果を招いている。

 いろいろニュースを見て考えたのは上の穴掘り理論とこの給料に対する固定概念なのだが、悪いものは確かに多い。一世代前の働き方も二世代前の働き方も悪かったし、そのツケを後世に回して知らん顔といった例がものすごく多いなかでよくやっているなとは思う。しかし、そうやって働いていった先で衰退を招きました、滅亡を招きましたとなれば、その責任がすべて上の世代のものというわけではない。固定概念に縛られて、固定概念通りに生き、固定概念の通りに死ぬ。そのすべてによって上の世代がすべて悪いというようなことを言うのであれば、その発言のツケを背負うことになるのは妥当な帰結だろうと考える。最終的には「上の世代がすべて悪かった」と言えるその権利を得て滅んでいくという意味では、日本は滅ぶべくして滅んでいるし、何よりそれで救われもしているわけだから、最終的にはいい人生だったと。多分どこまでいってもそう言えるのではないかと思う。




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