実は桃太郎を早めに切り上げたのはこれを書きたかったからだという。ネタバレとかあまり気にせず書こうと思うので、後はまあほどほど~に書いていこうと思う。
怪我をしてからがモンキーターンの本質だよなーと思う。それまでってのは波多野といううまくて強いしかもラッキーなやつが小池さんという師匠とさらには和久井さんという人に会ってやたらめったら強くなっただけの話っていう印象(だけっていったら言い過ぎかもしれんけど)。
まああまり別に特筆して好きというわけではない。おもしろいところはあるけれど。でもこの波多野が怪我をしてからは本当に感情移入して読んでる。毎晩寝る前にはちょっとずつ読んで反芻しては寝ているという。
この患者がとりあえず医者をやぶ医者呼ばわりするくだりは本当に笑ってしまう。オレも散々心の中で「くっそ畜生このやぶ医者め」とか思ってたことが(多々)あるけど、向こうからしたら多分「この仮病使いめ」とか思われていたのかもなあと思ったりすることもある……(笑)いや本当に激痛が走っている時でさえわからないことが多かったから。救急で運び込まれて「わかりません」ってこともあったし。そうしてやぶ医者仮病使い合戦は古今東西暇がないのかもしれない。
この長尾さんっていう選手、東京支部で波多野と一緒なはずなのにこうしてまるでメインキャラばりに喋るのはこの1ページだけだという(笑)もうちょっとこんだけしゃべらせてるんだから活躍するとかその後があっても良さそうなのに、本当にこの1ぺージをしゃべるために出てくるという感じ。まあ一応他にも出てるシーンはあるのだが、全くしゃべらない。
個人的には「モンキーターンといえばこれ」というくらいの名シーンだと思う。雨が降って怪我の後遺症に悩まされている時に長尾さんに言われてはっと気づく。これでマイナス思考から脱却できた波多野が、いやプラス思考を獲得できた波多野がさらに活躍していくというその転機となる名シーンだと思う。
……のだが(以下略)。
そして波多野は怪我と戦いながら、よりによって最強の選手である榎木に挑んでいくことになる。
しかし榎木からしたら波多野の行動の意味がよくわからない。その内容というのは実は波多野が怪我してて最高のコンディションを発揮できないというだけの話なんだけど、榎木にはそれがわからない。わからん……わからん……榎木はよく考え込む。そうして怪我した波多野が実質的に最強の榎木キラーとして活躍していくことになるのだ。
こういう流れを読んでいる時に、何か信仰にも近い気持ちを抱いていることに気づかされる。
確かに波多野は怪我した。でももしも怪我していなかったとすれば、果たして波多野は榎木キラーとしてここまで活躍できただろうか。確かにそうなったかもしれないし、リクツで考えればそりゃあそうだともいえるかもしれない。それはわからないのだけど、でもきっと怪我して頑張っている時に比べてここまでおもしろくはならなかったんじゃないかと。
怪我なんてのはマイナスなことでしかない、一般的にはそう見られる。
でもオレは考えるのだ、榎木キラーとして活躍していた波多野のように、怪我したからこそ得られる武器ってのも確かにあるんじゃねえだろうかと。(まあ二人は互いにそのことに気づいてないわけだが……)そう思った時に、これがたかがマンガだと思えないほどのリアルな高揚感みたいなものを味わっていることがある、怪我したからこそ得られたものってオレにもあるんだろうか、それをこれから先の人生生きててああこれだったのかと思える日がくるのだろうか、それを思うと未来に対する希望を感じて明日を生きたくなる……そういうリアルな実感というものを感じられるモンキーターンはすごいなと思う。何回も読み返してるけど(主に怪我した以降を)、それでも飽きない。また新しい発見があるんじゃないかと探しながら読んでいる。
だからまあ何が言いたいかって、これおもろいっすよということで(笑)
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