ということで桃太郎は鬼を許してやることにしましたが、ここで未来形が出てくるってのはすごいなと(笑)えらいよく考えられている教材だなと思いましたね。まあ残念ながらあんまり出てこなかったですが(笑)
その続きです。
前回今回分の読み
①Les Ogres, reconnaissants, rendirent au pays tout ce qu'ils avaient pillé et l'on remplit le bateau de Momotaro de toutes sortes de trésors.
➁À la maison, les vieux parents attendaient et priaient:
ちょっと中途半端ですが、今日はこの二文です。
①Les Ogres, reconnaissants, rendirent au pays tout ce qu'ils avaient pillé et l'on remplit le bateau de Momotaro de toutes sortes de trésors.
reconnaissants(ルコネッソン)は形容詞ですね。本来はreconnaissant/reconnaissante(ルコネッソン/ルコネッソントゥ)「感謝している、ありがたく思っている」なんですが、この男性形の方に複数形のsがついているのでこれになっています。読み方は男性形の方のままなんですね。
で、これなんですが慣用句の中で使われます。
être reconnaissant à 人 de 物/不定詞という形で、「物に関して人に感謝する」あるいは「~に関して人に感謝する」という意味なんですね。ところが何も後ろにないでこれだけで挿入句となっている。ということは省かれているんだと考えられます。まあこのままでも「感謝している鬼たちは」で通じると言えば通じるんですが。
・じゃあ何に感謝しているかって、桃太郎たちに許してもらったことに感謝しているわけです。
となると人のところは「à Momotaro」でしょうし、許すのところは昨日出てきた動詞のpardonner(パルドネ)「許す、大目に見る」でいいでしょう。êtreのところはLes Ogresで鬼たちが複数形になっていますので、sont(ソン)というilsに対応した形になっていると思われます。
なので、
Les Ogres sont reconnaissants à Momotaro de pardonnerとなり、これで「鬼たちは許してもらったことに関して桃太郎に感謝している」となります。
これが挿入句となって(つまり本筋ではなく、鬼たちを説明しているだけの文章ってことです。そうなると別に省いても問題ありません)、
Les Ogres, reconnaissants à Momotaro de pardonner
となっており、いや「助けてもらったことに関して桃太郎に感謝している」なんてのは説明しなくてもわかるでしょということでここは省かれているわけですね。ここで「嚙まれたけど実は手加減してくれたイヌに感謝している」なんて事情はないわけですから(笑)
まあここで重要なのは省いても別に大丈夫くらいの意味であるってことですね。
・ということで一応省いて続けますが、
Les Ogres rendirent au pays tout ce qu'ils avaient pillé et l'on remplit le bateau de Momotaro de toutes sortes de trésors.
となります。
とりあえず前半ですね。
Les Ogres rendirent au pays tout ce qu'ils avaient pillé
までいきます。
rendirent(ロンディール)はrendre(ロンドル)のilsの形で単純過去形ですね。前回出た時は代名動詞で「~に降伏する、降参する」という意味でしたが、ここは他動詞ですね。「~を返す」というgive backの意味があります。
pays(ペイ)はものすごくよく見かける気がしますね。男性名詞で「国、祖国、故郷」の意味です。この前にあるのがau(オー)で、「à+le」になります、 àが入っているということは「国に」となると思われます。
ここまでで、「鬼たちは国に返す」となります。
では何を返すのかということですね。
次は慣用句ですね。
tout ce qu'ils avaient pilléですが。
これ「tout ce qu'il y a de複数名詞/形容詞」で「~のすべて」の意味です。
pillé(ピレー)はpiller(ピレー)という動詞からきてますね。「略奪する、荒らす」の意味の動詞です。機能としてはils avaient pilléですから、半過去+pp(過去分詞)で直接法大過去となります。難しい言い回しですが、要するに「今返そうとしている」わけですけど、それよりも以前に奪ってきているわけですね。つまり過去のさらに過去について言っているという感じです。
ここまでを訳すと、
Les Ogres rendirent au pays tout ce qu'ils avaient pillé
「鬼たちは彼らが奪ったものすべてを国に返す」となります。実際にはこの鬼たちにreconnaissantsがついていますから、「感謝している鬼たちは」となりますね。
・続けて後半です。
et l'on remplit le bateau de Momotaro de toutes sortes de trésors.
この先頭のl'on(ロン)なんですが、これじゃあ「le」とかが入っているのかと思いそうなところですが、これは「l'」なしでet on(エ オン)となると語呂が悪いので、語呂をよくするために入ってくるだけの「l'」です。ここOSVになるのか?? みたいなところですが、実際には特に意味はありません。on(オン)も意味としては人とか人々ですが、まあ一同(桃太郎一行)という感じでいいと思います。
remplit(ロンプリ)はremplir(ロンプリール)「いっぱいにする、満たす」からきています。これが「remplir 物 de ~」という形で、「物を~でいっぱいにする」という意味になります。そう思ってみると、次がde Momotaroとなってますので、「舟を桃太郎でいっぱいにする」になるかというところですが、そうではありません(まあ当たり前ですが(笑))。ここは le bateau de Momotaroというここまでがひとくくりなんですね。これで「桃太郎の舟」という表現になりまして、remplirにかかっているdeはその後に出てきます。
つまり、
de toutes sortes de trésors.これですね。
ここはtoutes(トゥットゥ)に注目してみたいんですがその前に。
sorte(ソルトゥ)は英語で言うsort kindですね。「種類」で女性名詞です。
trésors(トレゾール)はtreasureですね。「お宝、財宝」です。これが男性名詞です。
意味だけなら「すべての種類の財宝」という意味になりますが、ここでtoutesがこの形であることに注意が必要でしょう。もともとはtout(トゥー)で男性単数なんですが、これがtouts(トゥ(ス))で複数、女性名詞だとtoute(トゥットゥ)となり、複数でtoutes(トゥットゥ)というように4つ変化します。ここはつまり直後のsortesにそのままかかっているがためにtoutesになっているんですね。「すべてのお宝だから、お宝にかかっているんだよ」ああtrésorsか、とか考え始めると間違えるので、直後にかかっているものにそのまま反応して変化しているんだなと思っておくといいかなと思います。
で、意味は「すべての種類の財宝」ですね。
ということで後半を訳しますと、
et l'on remplit le bateau de Momotaro de toutes sortes de trésors.
「そして一同は桃太郎の舟をすべての種類の財宝でいっぱいにした」となります。
①全体を訳しますと、
①Les Ogres, reconnaissants, rendirent au pays tout ce qu'ils avaient pillée et l'on remplit le bateau de Momotaro de toutes sortes de trésors.
「(桃太郎に助けられたことに)感謝している鬼たちは、彼らが奪ったものすべてを国に返し、そして一同は桃太郎の舟をすべての種類の財宝でいっぱいにした(のだった)」
となります。
➁ですね。
➁À la maison, les vieux parents attendaient et priaient:
À la maisonで「家では」という感じですね。
vieux(ビュー)は久々に出てきました。oldの意味ですね。男性単数でも同じ形ですが、ここは複数形です。ilsに対応しています。
attendaient(アトンデ)はattendre(アトンドル)からきています。自動詞で「待つ」の意味です。
priaient(プリエー)はprier(プリエー)からきていますね。他動詞で「~に祈る」の意味です。
厳密に言えば、ここはちょっとおかしいと思います。
attendreの方は「待つ」の意味ですからこれだけで完結していますし、「桃太郎を」の意味が欲しければattendreにà Momotaroとかをつければいいだけの話です。ですがprierは他動詞なので、「~に祈る」となりますから、prier Dieuで「神に祈る」という感じになってないとおかしいのかなと思います。まあ細かいことを言えばですね。まあ自動詞としてのprierはないわけですが、日本語の「祈る」を考えると、ただただ祈ることもあるのかなと思いますし、八百万の神々に祈ることもあるので(笑)、まあ厳密にはフランス語の意味とは違うってことをここで表現しているのかもしれません。
まあ余談でした。
訳しますと、
➁À la maison, les vieux parents attendaient et priaient:
「家では年老いた両親が待っていた、そして祈っていた」となります。
「待っており、祈っていた」でもいいのかなと思います。
ということで今回もさらっと復習して終わりにしたいと思います。
①Les Ogres, reconnaissants, rendirent au pays tout ce qu'ils avaient pillée et l'on remplit le bateau de Momotaro de toutes sortes de trésors.
➁À la maison, les vieux parents attendaient et priaient:
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