フランス語桃太郎その24






 ということで、前回ちょっと長かったので中断しました。続きですね。
 桃太郎が門のところで鬼たちに喋ってました。
 https://vt.tiktok.com/ZSer92EYy/ ④――Toi,nous punir? Essaie donc!≫.
 ⑤Les ogres qui faisaient le guet en haut du portail lui rièrent au nez et refusèrent d'ouvrir:
 ⑥ils ignoraient à qui ils avaient affaire.


 ④――Toi,nous punir? Essaie donc!≫.
 この文章ですが、まず主語がありません。nousはここでは目的語ですね。鬼たちが「おれたちを」といっている意味となります。主語がないのにpunir(プニール)「~を罰する」の動詞は原形となっていますから、普通は「お前がおれたちを罰するだと?」というようなことを言おうとすれば主語のtuとかvousに合わせて動詞が変化すると考えられます。となると、主語だけでなく動詞も省略されていると考えられます。
 そこでちょっとどんな形が隠されているだろうかと聞いてみたんですが、次の2パターンではと返ってきました。
 1Toi,tu crois que tu peux nous punir?
 2Toi,tu dis que tu peux nous punir?
 crois(クロワ)はcroire(クロワール)からきています。believeの意味ですね。「~と信じる、思う」となります。
 dis(ディ)はdire(ディール)からきています。これは「~と言う」の意味ですね。ちなみにこの動詞には代名動詞パターンがあって、つまりtu te disとなったら「あなたはあなた自身に(心の中で)言う」となりますが、転じて「~と思う」という意味にもなります。
 ですから1は
 「おまえが、我々を罰することができると(でも)信じているのか?」
 2が「おまえが、我々を罰することができると(でも)言うのか?」
 という感じになります。

 まあそれはおいておいて、肝心なのは後半部分にpeux(プー)があるということですね。これはpouvoir(プボワール)からきています。英語で言うところのcanですね。これが「pouvoir+不定詞(動詞の原形)」となって効いてますので、後ろの動詞punirが原型となっているというわけです。「~ができる」となります。
 これらがすっ飛ばされた末に、Toi,nous punir? の3語だけが残ったというわけですね。省略はされてますが、当然ここはpouvoirが込みですね。
 これで最低限「おまえが我々を罰することができると?」という意味になると思います。

 続いて、
 Essaie donc!
 これも省略がありますが、こちらはわかりやすいですね。
 essaie(エッセ)はessayer(エセイエ)「~試す」tryの意味ですね。これが直接法現在形のilに合わせた形です。が、接続法も同じ形なので、ここは恐らく接続法でしょうね。感情入れてる文章は大体接続法がきます。主語はここではonだと考えられます。
 donc(ドンク)は接続詞で「それゆえ、従って」の意味がありますが、ここでは副詞ですね。「それでは、さあ」という意味です。まあ省いても何ら差し支えない意味ですね。
 ということで省略されている部分を考えてみると、
 Qu'on essaie donc!
 もしくは
 On essaie donc!
 かなと思います。これで「おまえら(できるもんなら)さあやってみろ!」と言っている場面でしょう。

 ということで合わせますと、
 ④――Toi,nous punir? Essaie donc!≫.
 「おまえが、我々を罰するだと?(できるもんなら)さあやってみろ!」
 という感じでしょうかね。


 続けて⑤です。
 ⑤Les ogres qui faisaient le guet en haut du portail lui rièrent au nez et refusèrent d'ouvrir: まず重要なのは、rièrentという動詞はありません。
 「彼らは鼻で笑った」と言いたい場面ですが、笑うはrireですので、半過去形で「笑っていた」ならriaient(リエ)、単純過去形ならrirent(リール)となります。ここは後ろにも動詞があって、refusèrent(ルフュゼール)なんですけど、これが単純過去形なので、合わせてrireもrirentとなると考えられるでしょう。

 さて。主語がものすごく長いですね。
 Les ogres qui faisaient le guet en haut du portailまで主語が続きます。まあ全部すっ飛ばしてLes ogresだけで「鬼たち」でもいいんですが(笑)
 これの説明がqui(キ)以下で述べられてます。英語でもありましたよね。whoで受けて後で説明するってやつ。ああいうやつです。
 faisaient(フゼ)はfaire(フェール)からきています。makeとかdoも意味合いがあります。

 ここは le guet(ゲ)で「見張り」ですから、faisaient le guetで「見張りをしている」という意味になります。leは定冠詞ですね。guetが男性名詞なのでくっついてます。
 en haut de(オン オート ドゥ)~は慣用句ですね。「~の上に」の意味です。hautは単独では「高い」という意味です。英語のhighですね。
 portail(ポータイユ)は「正門」でした。これが男性名詞なので「le」がつく→en haut deのdeと合わさって「de+le」でduとなる、なのでここにduが入っているということです。ちなみにここに入るのが女性名詞で先に「la」がついていたら合体しませんので、その場合は「de la」のままということになります。

 ということで主語部分を訳しますと、
 Les ogres qui faisaient le guet en haut du portail
 「正門の上で見張りをしていた鬼たち」となります。
 まあ「鬼たち、というのは正門の上で見張りをしていたのだが」でもいいかなと思います。

 さて後半ですね。
 lui rirent au nez et refusèrent d'ouvrir:
 rireの部分直しました。単純過去形となっています。
 rire au nez(de 人)という慣用句があります。nez(ネ)は男性名詞「鼻」の意味ですから、直訳すれば「人を鼻で笑う」ですね。この場合「人を」に当たる部分がlui(リュイ)となって、動詞の前に出てきています。
 refusèrent(ルフュゼール)はいかにも英語のrefuseっぽいですが、意味もほぼ一緒です。「~を拒む、断る」の意味ですね。これが単純過去形となっています。
 そしてここでは、「refuser de 不定詞」となって「~を断る」の意味になります。不定詞の部分がouvrir(ウブリール)となっています。前回も出ましたね。openの意味です。

 ということで後半をまとめますと、
 lui rirent au nez et refusèrent d'ouvrir:
 「(鬼たちは)彼をあざ笑い、開けることを拒んだ」となります。
 合わせますと、
 ⑤Les ogres qui faisaient le guet en haut du portail lui rièrent au nez et refusèrent d'ouvrir: 「正門の上で見張りをしていた鬼たちは彼をあざ笑い、開けることを拒んだ」
 となります。「:」で終わっていますので、続きは「すなわち」で始めると繋がりがいいと思います。



 ⑥ils ignoraient à qui ils avaient affaire.
 ignoraient(イニョレ)ですが、ignorer(イニョレー)からきています。いかにも英語のignoreそっくりですが、意味は全然違います。フランス語のignorerは「~を知らない」の意味です。一方英語のignoreは「~を無視する」となります。

 さて、ignoraientはここでは半過去形でilsに合わせた形ですね。
 後ろのavaient(アヴェ)もavoirの半過去形でilsに合わせた形です。
 ここは慣用句が入っています。
 「avoir affaire à 人」で「人と関わる、人を相手にする」の意味です。affaire(アフェール)が「問題」という意味を持ちますので、「人との間に問題をもつ」というのが直訳でしょう。この「à 人」の「人を」の部分が前に出たために、こういう形になっていると思われます。

 なので、訳すとすれば
 ils ignoraient à qui ils avaient affaire.
 「彼らは、彼らが(一体)誰を相手にしていたのか(ということ)を知らなかったのである」という形になると思います。à quiが先に出ているので、ignoraientと結びついて「彼らはそれが誰かを知らない」となる可能性も考えましたが、そうなると後半部分が完全でなくなります。あるいは後半部分にà quiがさらにある(重複してしつこいので省いた)可能性も考えましたが、そうなるとignoraientのかかり方が「彼が誰なのかを知らなかった」「すなわち、彼らが相手にしているのが誰なのか(をである)」ということになると、そもそも文をもっときっちり用意しないとかなりムリがあると思ったので、はしょりすぎていてこの線はないなと思いましたね。

 そういうわけで、
 ⑥ils ignoraient à qui ils avaient affaire. 「彼らは、彼らが(一体)誰を相手にしていたのか(ということ)を知らなかったのである」

 としました。

 ということで、
 今回も復習して意味がわかるようであれば大成功ですね。
 https://vt.tiktok.com/ZSer92EYy/ ④――Toi,nous punir? Essaie donc!≫.
 ⑤Les ogres qui faisaient le guet en haut du portail lui rièrent au nez et refusèrent d'ouvrir:
 ⑥ils ignoraient à qui ils avaient affaire.



 ということで21~24までの流れはこんな感じです。
 Il ne fallut pas longtemps pour entendre le Faisan aux yeux perçants annoncer:≪Momotaro!Onigashima en vue!Je vois le château-fort tout noir des Ogres juste dans notre direction!
 ――Très bien!On continue dans cette direction!≫ordonna Momotaro à ses compagnons.

 Le Chien se mit à ramer de plus en plus fort,le Singe maintenait le cap, pendant que le Faisan partait survoler l'île en éclaireur. Lorsque nos quatre compagnons arrivèrent au grand portail du château,Momotaro annonça:
 ≪Qu’on ouvre immédiatement! Je suis Momotaro. 
 Je suis venu vous combattre et vous punir de vos méfaits!
 ――Toi,nous punir? Essaie donc!≫.
 Les ogres qui faisaient le guet en haut du portail lui rièrent au nez et refusèrent d'ouvrir:
 ils ignoraient à qui ils avaient affaire.









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