ということで海辺に出た一行ですが、さてどうなるでしょうか。
今回次回と短いのが続きますので、ここでまとめてやってしまおうと思います。
①Le chien trouva vite un grand bateau.
➁≪Embarquons-nous et cap sur Onigashima!≫ordonna Momotaro.
③Il faisait beau, un bon vent soufflait.
④Le Chien ramait, le Singe avait pris le gouvernail et le Faisan faisait le guet.
以上4つですね。
①Le chien trouva vite un grand bateau.
これだったらもう出てきたものばかりなので、分かる人は解説なしでもわかるかもしれません。
trouva(トゥルーバ)はtrouver(トゥルベ―)からきています。findの意味です。単純過去ですね。
vite(ビットゥ)は「速く、素早く」の意味です。
bateau(バトー)は「船」です。ここでは小舟くらいのイメージですかね。grandがついてますからまあ舟なのでしょう。男性名詞なので、un/uneのunがきており、grand/grandeのgrandが前に来ているというのは重要でしょう。仏検にもちょいちょい出てきている意味で重要な単語だと言えます。
ということで訳しますと、
①Le chien trouva vite un grand bateau.
「イヌは素早く舟をひとつ見つけた」となります。
➁≪Embarquons-nous et cap sur Onigashima!≫ordonna Momotaro.
前もこの形でましたが、Embarquons(オンバーコン)はnousに合わせた形で変化しており、先頭に出て命令形になってます。
embarquer(オンバケー)からきており、自動詞で「~に乗りこむ、旅立つ」という意味です。もしもここが他動詞だとすれば「~に乗せる」の意味となって、「~を、~に乗せる」となり、「じゃあ~をの部分はなんなんだよ」となっておかしいことになります。
cap(キャプ)は「岬」の意味ですが、ここでは慣用句となっています。
実は
「mettre le cap sur~」で「~の方に向かう」という意味があり、つまりその先頭の方は「言わんでもわかるだろ」ということで省かれているわけですね。どうも慣用句をみていると、capは船のへさきを意味するのか、あるいはへさきをその対象に=岬に向けるのでなのか、「向かう」とか「向ける」といったものが多いように思います。
ちなみに英語ではcape(ケイプ)となりますので、そのまま訳すと「put the cape on~」という感じになりますが、英語ではそういう慣用句はありません。「~に向かう」であればturn to~で十分でしょう。
ordonna(オルドナ)はordonner(オルドネ)からきています。英語で言うorderですね。「命令する、まとめる」という意味があります。これが単純過去形です。
・で、ここで重要なのが「言う」のdire(ディール)なんかもそうですが、ここのordonnerもそうですね。◎言うとか命じる系の動詞は、フランス語の「」である≪≫(ギュメといいましたね)の後に出てきて、倒置する場合があるんです。ここも≪≫ordonna Momotaro.となっていますが、これを知らずに訳すと「~と桃太郎に命じた」といかにもなりそうですが、そうするとイヌサルキジがそろって桃太郎に命令しているということになって(笑)、ils ordonna Momotaroとなりおかしなことになります。そうではなくて、こういう場合の専用の倒置があって、この場合の主語はMomotaroなんだというのが重要です。
さて、まとめますと、
➁≪Embarquons-nous et cap sur Onigashima!≫ordonna Momotaro.
「乗り込んで、鬼ヶ島へと向かおう」と桃太郎は命じた。
となります。「これに」「船に」に当たるものがないのが違和感を感じさせますが、まあ日本語でも話の流れで目の前に船があれば「おお、じゃあ(これに)乗り込んでいこうよ」となると思いますので、まあなしでもいいのかなと思います。
③Il faisait beau, un bon vent soufflait.
faisait(フゼ)はfaire(フェール)の半過去形ですね。ここはit is goodくらいの意味で取っていいです。まあ半過去形なので、「天気が良かった」「天気は良くて」という感じですね。ちなみにIl fait beau(イル フェ ボー)はそのままit is goodの意味で「天気が良い」となります。
vent(ヴォン)は「風」です。前にunが出てますので男性名詞です。bon/bonneもbonですので、男性名詞だとわかります。
soufflait(スフレ)はsouffler(スフレ)から来ています。半過去形ですね。英語で言うblowです。「~が吹く」の意味があります。
ここでは前半の動詞がfaisaitで半過去形で、後半も動詞がsoufflaitで半過去形で一致しているというのが重要かなと思います。
ということで合わせますと、
「天気がよく、いい風が吹いていた」となります。風のventにunがついていることですが、風って数えられるのか? と思いましたが、まあ確かに「いい風が吹いてきた」というような場合、つまりは「いい風が一つ吹いてきた」と言えますからね。その意味では数えられる名詞と思っていいのかなと思います。
④Le Chien ramait, le Singe avait pris le gouvernail et le Faisan faisait le guet.
3つに分けて考えていきます。
一つ目はイヌが主語ですね。
動詞はramait(ラメ)ですがramer(ラメ)からきています。「漕ぐ」の意味ですが、「苦労する、努力する」の意味も一応あります。
ここまでを見ますと、
Le Chien ramait,
「犬は漕いでいた」となります。話は続いてますので、「犬は漕いでおり」でもいいかと思います。
次ですね。
le Singe avait pris le gouvernail
「サルはかじを取った」となります。
le gouvernail(グベルネイユ)は「かじ」ですね。前にleが付いてます通りに男性名詞です。
・ここ違和感あったんですが、単純にavait prisじゃなくてprenaitとして半過去にすればいいんじゃないか??と思ったんですが、よく見たらこれはつまり半過去+過去分詞なんですね。つまり直接法の大過去です。
だからニュアンスとしては、「犬が漕ぎ始めるよりもさらに前から、サルはかじを握ってたんだ」ということを言おうとしているわけですね。それがこのavait prisに含まれているわけですね。
最後です。
et le Faisan faisait le guet.
le guet(ゲ)ですが、「見張り」ですね。leがついてますから男性名詞です。
「そしてキジは見張りをしていた」でいいと思います。
まあさっきのも含めてですがニュアンスとしては、「サルは一番最初にかじを握った。そして続いてイヌは漕ぎ始め、キジは見張りを始めた」というニュアンスがあると思っていいと思います。
さて、では今回ですが。
これらを見てさらさらと分かるようになれば今回も大成功かなと思います。
①Le chien trouva vite un grand bateau.
➁≪Embarquons-nous et cap sur Onigashima!≫ordonna Momotaro.
③Il faisait beau, un bon vent soufflait.
④Le Chien ramait, le Singe avait pris le gouvernail et le Faisan faisait le guet.
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