フランス語桃太郎その14






 さて、前回は鬼ヶ島へ行くということで、桃太郎の決意が語られるという場面でした。
 それを聞いて、ではどうなるというのが今回です。

 前回今回の読み
 ①Ses vieux parents étaient inquiets mais ils ne purent le faire revenir sur sa décision.
 ➁Alors son père lui donna un grand sabre et une armure.
 ③Sa mère lui fit des Kibidangos, des gâteaux de millet,tellement bons qu'il suffit d'en manger un pour sentir sa force revenir.
 3つ目が長いのが強敵って感じですね。

 ①Ses vieux parents étaient inquiets mais ils ne purent le faire revenir sur sa décision.
 vieux(ヴュー)は散々出てきましたね。oldです。形からはわかりませんが複数形ですね。
 étaient(エテ)は半過去です。「~ていた」のニュアンスが入ります。
 inquiets(アンキエ)は形容詞でanxiousの意味です。「心配な、不安な」の意味です。

 ここまで前半を訳すと、
 Ses vieux parents étaient inquiets
 「彼の年老いた両親らは不安だった」となります。「不安があった」「不安を抱いていた」でもいいと思います。

 で後半ですね。
 mais ils ne purent le faire revenir sur sa décision.
 mais(メ)は「しかし」です。butですね。
 否定はne(ヌ)とpas(パ)で挟むんでしたが、ここpasがありません。
 本来はpurentの後にpasを入れるんじゃなかろうかと思います。まああくまでも「日常語ではpasを伴うことが多い」とあるので、まあなくても間違いではないでしょう。しかし①neとpasで挟む➁neの方が省略されてpasだけが残る に加えて③pasなしでneだけの否定文 このパターンはほとんど聞いたことがないですね。基本的にメインなのは①と②の方だと思います。

 ・ここからは慣用句がいろいろ詰まってますね。
 purent(ピュ―ル)はpouvoirの単純過去形です。ilsに合わせてます。canの意味ですね。過去形なのでcouldです。
 le(ル)は「彼を」の意味です。

 pouvoir+不定詞(動詞の原形)で「~できる」の意味です。
 さらに
 faire+不定詞で使役の意味です。「~させる」ですね。
 revenir(ルブニール) はsur(シュール)と組み合わさることで「再検討する、考え直させる」の意味になります。
 décisionは英語のdecisionの同じです。発音だけ「デシズィオン」という感じになってます。

 まとめますと、
 mais ils ne purent le faire revenir sur sa décision.
 「しかし彼らは彼を考え直させることができなかった」となりますね。
 厳密にいうと、make OC的に「OをCさせる」的に見て行くと
 「しかし彼らは彼(桃太郎)を、その決定から引き戻させることができなかった」という感じになってますね。まあ同じことですけど。

 まとめますと、
 ①Ses vieux parents étaient inquiets mais ils ne purent le faire revenir sur sa décision.
 「彼の年老いた両親は心配だったが、しかし彼らは彼を考え直させることができなかった」となります。心配であっても考え直させることはできなかったと。

 次に➁です。
 ➁Alors son père lui donna un grand sabre et une armure.
 Alors(アロール)は「その時」でthenですが、ここは「それで、だから」という接続詞みたいにとっておくといいですね。「そこで」とか「そういうわけで」でもいいと思います。
 donna(ドナ)はdonner(ドネー)からきています。単純過去形ですね。でgiveの意味です。「~を与える」ですね。
 sabre(サーブル)はサーベルで片刃の剣です。ちなみに両刃はépée(エぺ)です。
 armure(アルミュル)は鎧です。

 合わせますと、
 ➁Alors son père lui donna un grand sabre et une armure.
 「そこで、彼の父は彼に立派な剣を一つと鎧を一つ与えた」となります。
 lui(リュイ)である「彼に」、つまり間接目的語があの位置に入っていることに強い違和感がありますが、それは英語を学んでいるからであって、日本語で考えると「彼は、彼に、あげた」という語順は何ら違和感がないことが重要です。

 さて、③ですね。
 ③Sa mère lui fit des Kibidangos, des gâteaux de millet,tellement bons qu'il suffit d'en manger un pour sentir sa force revenir.
 これは先に言っておくと「Kibidango」を後ろから修飾するために句が挿入されているもので、「ああきびだんごか」と分かるなら別に省いて考えてもいいです。そしてさらにその後ろでも「きびだんご」を修飾しているものなので、
 要するに
 Sa mère lui fit des Kibidangos,
 「彼の母は彼にきびだんごを幾つか作った」だけでも十分っちゃ十分です。
 ここを付け加えておくと、des(デ)が付いてますからきびだんごは複数あるんだなってのが重要です。英語で言うsomeですね。

 さて、じゃあそのきびだんごはどのようなものかと言えば、
 des gâteaux de millet

 gâteau(ガトー)はお菓子です。ガトーショコラとか言いますよね(まああれは厳密にはフランス語と違うという説もありますが……)。
 でmillet(ミェ)で「穀物類の」という意味です。「キビによる」というよりは、「キビとかアワ」なんてのをごった煮にした感じですね。日本語で言えば「雑草」とかありますけど、こういう感じのニュアンスだと思います。日本語では「キビだよ!」と言ってもフランスでは「要するに雑穀でしょ?」という感じですかね。
 で、
 「(それというのは)雑穀によるお菓子であり、」という感じです。

 さて後半です。
 tellement bons qu'il suffit d'en manger un pour sentir sa force revenir.
 tellement 形容詞 que SVという慣用句が入ってます。
 これは英語で言うところの「so 形容詞 that SV」と同じです。
 ですので「(それというのは)とても美味しいので、SV」という感じになります。

 さてSVを見て行きますと、
 il suffit d'en manger un pour sentir sa force revenir.
 ここも慣用句が入ってます。
 il suffit (à 人)de 物 不定詞 pour~(不定詞は動詞の原形)となってます。非人称の構文で(つまりilは「彼は」でなく何も指してない)、「(人にとっては)~するには物だけで十分である」という意味になります。長ったらしいですけど、まあここでまるまる覚えられます。

 ◎en(オン)はここでは人称代名詞で、「それを」の意味です。ここきっちりやっとかないといずれつまづきます。
 pour+不定詞は「~するために」でしたね。
 sentir(ソンティール)は「感じる」です。
 revenir(ルブニール)は自動詞で「戻ってくる、戻る」の意味です。

 で合わせますと、
 「彼の力が戻ってくることを感じるためには、それを一つ食べるだけで十分である」という意味になります。 

 まとめますと、
 ③Sa mère lui fit des Kibidangos, des gâteaux de millet,tellement bons qu'il suffit d'en manger un pour sentir sa force revenir.
 「彼の母は彼にきびだんごを作った。それというのは穀物類によるお菓子である。そして彼の力が戻ってくることを感じるためには、それを一つ食べるだけで十分なのである」
 という感じになります。
 この最後のところなんですけど、「すごくおいしいので、一つ食べたらそれだけで力が湧いてきます」ということを言おうとしているようです。お腹が減ったり疲れたりしても、これ一つ食べればたちまち力が戻ってくると。それを感じるためには1個で十分というわけですから、効果は絶大というわけですね。


 さて、では最後に復習です。
 ①Ses vieux parents étaient inquiets mais ils ne purent le faire revenir sur sa décision.
 ➁Alors son père lui donna un grand sabre et une armure.
 ③Sa mère lui fit des Kibidangos, des gâteaux de millet,tellement bons qu'il suffit d'en manger un pour sentir sa force revenir.


 では前回と今回分です。
 さらさらっと読めたらいいですね。

 Rentré à la maison, Momotaro salua ses parents et leur dit:
 ≪Permettez-moi de partir quelque temps.
 ――Partir pour où,mon cher enfant?
 ――À Onigashima,l'île des Ogres,pour combattre et punir les méchant Ogres et mettre fin à leur pillage!≫
 Ses vieux parents étaient inquiets mais ils ne purent le faire revenir sur sa décision.Alors son père lui donna un grand sabre et une armure.Sa mère lui fit des Kibidangos, des gâteaux de millet,tellement bons qu'il suffit d'en manger un pour sentir sa force revenir.





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