フランス語桃太郎その3






 桃太郎もとうとうその3となりました。
 おばあさんが桃を拾って帰る場面となります。

 今回次回分の読み

 ③≪Quelle belle pêche! Elle a l'air délicieuse.Allez, viens par ici, que je t'apporte à mon mari!≫
 今回はこの一文ですね。
 一文しかないので余談と脱線を増やすこととします(笑)

 ちなみにこの「≪≫」ですが、調べてみると「ギュメ」というそうです。まあ会話文だし思っていることもこれで表すと。日本語のかぎかっこですね。

 Quelle belle pêche!

 ・quel/quelle(ケル)は英語のwhatです。
 今回はその中でも感嘆文ですね。感嘆形容詞としてこの先頭に出てきてます。「なんと~なんだろう!」となりますね。まあ先に言うと「なんてすごい桃だろう!」ということなんですが。
 Quelle chaleur!とかでも、chaleur(シャレーア)は女性名詞で「暑さ」なんですが、「なんて暑さだ」になります。
 belle(ベル)はbeau(ボウ)の女性形です。「よい」「素晴らしい」ですね。英語で言うgoodとかniceです。ここでは「桃」に当たるpêche(ペッシュ)が女性名詞なので、それに合わせて形容詞がbeau→belleに変化してるんですね。でそれに合わせてquelもquelleになっているわけです。
 だから例えばpays(ペイ)は「国」「祖国」「故郷」という意味の男性名詞ですが。これを似た感じに変化させようと思った場合は、beauはそのままですし、男性名詞に合わせてquelとなりますから「Quel beau pays!」となります。「なんてすごい国だ!」って感じですね。

 まあここらで戻りますが、
 Quelle belle pêche!で「なんてすばらしい桃だ!」「なんてすばらしい桃だろうか!」と言ってるわけです。

 ・で続きですね。
 Elle a l'air délicieuse.

 Elleは女性名詞の「桃」が la pêcheで女性名詞なのでそれをそのまま受けてます。elleは「彼女」ですが、ここは「彼女」というわけではないんですね。
 さて慣用句が出てきてます。
 「avoir +l'air de 形容詞」で「~のように見える」となります。
 まあ直訳すると「~の空気を持っている」「~の雰囲気を持っている」となります。avoirは基本haveの意味ですから。まあそれが「~のように見える」という意味になっているわけですね。英語で言う「look like」と同じです。
 délicieux/délicieuse(デリシュー、デリシューズ)は英語でいうデリシャスですね。「美味しい」です。

 なのでここは
 「桃は美味しそうだ」でいいです。
 もっと忠実に訳すれば
 「桃は美味しそうに見える」とかでもいいかと思います。
 自然にしようと思えば
 「おいしそうな桃だこと!」
 とすればそれっぽいのではないでしょうか。 

 ・さて。
 Allez, viens par ici, que je t'apporte à mon mari!
 ですが。
 Allez(アレ)はaller(アレー)のvous(ブー)に合わせた変化ですね。英語のgoです。
 tu(チュ)は「君は」ですがvousは「あなたは」という感じの丁寧なニュアンスです。
 S(主語ね)なしでここでは命令形を取っていると考えられます。ですがvousに合わせて丁寧なので、
 「行きなさい」「行ってください」いや、もっとくだけてここでは「(こっちへ)きなさい」でもいいでしょうし。
 あるいは「それいけ!」的な感じで「いけ!」でもいいかもしれませんね。

 厳密に言えばgo=「行く」、come=「来る」だと支障のある場合もある(英語と日本語のニュアンスは正確に一致するわけではない。その区分はフランス語でも同じことが言えると思われる)ということなので、フランス語としては「こっちへ行く」、日本語としては「こっちへ来る」でもまあ間違いではないのかなと思います。なので、フランス語としては「こっちへ行きなさい」になるし、それを日本語に合わせて自然にすれば「こっちへきなさい」となるのかなと。
 まあここは「それいけ!」的な感じで、あまり意味のない掛け声的な感じで「(それ)いけ!」と考えるのが自然かなと思います。


 viens(ビヤン)はvenir(ブニール)からきてます。英語のcomeですね。tuに合わせて変化してます。
 が、ここも主語のtuは抜けてますから命令文ですね。
 par ici(パーリッスィ)で「こちらへ」の意味になります。par(パー)は前置詞で、英語で言うthroughですね。つまり英訳すればthrough hereとなり「ここを通って」「ここを通りぬけて」という感じです。それが「ここへ」という意味になります。
 tuに合わせるなら、「こい」というくだけた感じでしょうから「こっちへ来い」でいいでしょう。
 ですから「(それ)いけ! こっちへ来い」という感じが自然かなと思います。

 que je t'apporte à mon mari!
 ・ということで最後ですね。
 que(クー)はthatです。
 that SVときているわけですね。
 ここでは前節の説明してるんだなという感じでいいのかなと思います。

 appote(アポルトゥ)はapporter(アポルテ―)からきてます。英語で言うbringですね。
 ですからここは、英語的に「I(おばあさん) bring you(桃)」と考えるとわかりやすいですね。SVOです。それがフランス語はSOVの語順なので「I you bring」的な形になっているというのがここです。そういう意味での「Je+te+apporte」なんですね。


 ・さらに重要なことなんですが。
 apporterは「apporter 直接目的語 à 間接目的語」となってるんですね。長ったらしいので「直O」「間O」としますが。
 直Oは「~を」に当たるもののことです。
 間Oは「~に」に当たるもののことですね。大学生の頃は「をに直間」で覚えてました。英語ではこれあんまし細かく言わなかったですよね。O1、O2みたいなざっくりとした感じでしたが、フランス語はここの区分をめっちゃ問います。
 なので直O間Oは「をに」(鬼といいたい(笑))であるとここでパパッと覚えとくといいです。
 ここではしたがってapporterは
 「直Oを、間O(のところ)に、運んでいく」ということになります。

 ・そうするとここでは、直Oである「おまえを=桃」はteであり、動詞の前に出てますからこれはいいです。
 残りは間Oですね。
 「夫」は男性名詞で「mari(マリ)」です。男性名詞なので先にmon(モン)がついてます。
 間Oなので「夫に」となります。
 まあ「à」が英語のtoなので「~へ」でも間違いではないんですが、まあ「~に」と思ってもらえるといいですね。

 ということでまとめますと
 que je t'apporte à mon mari!
 「私は『おまえを』『夫のもとに』運んでやる」
 という感じになります。
 まあ夫というよりは「おじいさん」のがらしくていいかもしれませんね。
 まあともかく、この「を」と「に」のニュアンスにこだわるというのが非常に重要ですから繰り返しました。

 ということで
 Allez, viens par ici, que je t'apporte à mon mari!
 は
 「いけ! こっちにこい、私はおまえをおじいさんの元へ運んでやるから」
 という感じになりますかね。queが前節を受けているので、「~から」としました。


 ということで今回もこれを見てパパっと内容が分かれば、大成功です。
 ③≪Quelle belle pêche! Elle a l'air délicieuse.Allez, viens par ici, que je t'apporte à mon mari!≫

 最後にまとめときます。
 Il était une fois un vieux bûcheron et sa femme qui vivaient dans un petit village au pied d'une montagne.Le vieil homme allait tous les jours ramasser du bois et la vieille femme allait faire à la rivière.Un jour, alors que la femme était à sa besogne habituelle,que vit-elle?Une grosse pêche toute fraîche qui flottait à gauche, à droite en descendant la rivière.
 ≪Quelle belle pêche! Elle a l'air délicieuse.Allez, viens par ici, que je t'apporte à mon mari!≫




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