新戦国策秦3-2、張儀が厚く用いることによって樗里疾(ちょりしつ)を追い出す話






 ということで前回は張儀が魏を助けに行くというので、左成(させい)と甘茂(かんも)が相談してこりゃ行かせた方がいいぞということでまとまるという話でした。


 張儀が樗里疾(ちょりしつ)を損なおうと考えた。殊更に重く扱うことで楚へ行かせて、楚王に秦の宰相とされてはどうかと秦に言わせようとした。
 張儀が秦王に言った。
 「樗里疾を重んじて使者として扱うということは、これによって国交を樹立しようと思ってのことです。今その身は楚にいます。楚王は樗里疾のために、これを宰相としてはと秦に言ってきております。
 この臣がその言葉を聞くに、『楚王は張儀を秦で窮地に追い込もうとしている、それならばこの臣が王をお助けしましょう』楚王はこれをよしとしました。そのため樗里疾に秦の宰相を請うのであります。
 今、王がこれを聞き入れれば、彼は国ごと楚に仕えようとするでしょう」

 これを聞いて秦王は大いに怒った。
 樗里疾は出奔した。

 ・樗里疾(ちょりしつ)についてはこちら
 母が韓の人だったようで、秦では王族ですね。頭もよく戦争もできるエリートという印象です。甘茂(かんも、かんぼうとも)を推挙したそうですが、息壌の誓い(そくじょうのちかい)で甘茂を呼び戻してはといった側なんですね。推挙された者が罪を犯せば、推挙をした者も罪を受ける秦のルールがこの時すでにあるのであれば、この時樗里疾は処刑されかかって危うかったという可能性はあるなと思います。


 ・しかし張儀はなんだかすごいですね。縦横家として外交はうまかったのかもしれませんが、内政ということになると自分の邪魔になりそうなものを失脚させるのもうまいと。優秀な人ほど自分の輝きを損なう可能性はある、ということであれば本当に秦の国内をすかすかにしていたのは張儀である可能性はある。まあ現代もそういう可能性はあって、しっかりしている人ほど失脚させるのがうまいとか、足元を掬われない前に失脚させるとか、そういうことはあります。
 しかしこういうことをやっていては、国を富ませることなどとても覚束ないなあという印象ですね。これでよく秦強くなったなという感じがします。






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