新戦国策1-10、ある人が周最に言って韓・魏両国の宰相となりなさいという話






 ということで前回は蘇厲(それい)が兄である蘇秦と周、周最(しゅうしゅ)のためにアドバイスをして両方立てると。何か含みがあるんでしょうが、今一つそこまではわかりませんでした。


 ある人が周最(しゅうしゅ)に言った。
 「趙が仇赫(きゅうかく)を宋で相とさせているのは、秦が趙・宋に応じて韓・魏・斉の三国を破ろうとする思惑があるものと思われます。その三国がもしも破れなければ、趙と宋とで東(の斉)と同盟して、これで秦を孤立化させようというものです。またこれによって、韓と魏と斉との繋がりがどの程度であるかを知ることもできます。その関係が強固なものでなければ、趙と宋とで三国を破ろうとします。(強固なものであれば)趙と宋とを三国に売りつけようというものです。

 貴公はどうして人を韓と魏に送って言わないのです。
 『秦と趙とが互いに欺き合って同盟しないことを求めるならば、どうして周最を韓魏両国の宰相にさせて、秦と趙とに韓魏二か国は離れることができないことを示さないのか。これによって秦と趙とは欺き合って、どちらも韓・魏にすり寄って親密さを示そうとして、王に同盟を望むこととなるでしょう』と」

 ・これによって周最(しゅうしゅ)が韓・魏の宰相を兼務することになる、出世することができるというのが一つの狙いでしょう。それにしてもこの周最という公子、あちらこちらの関係に顔を出してきますね。恐らく周という国の権威がそれを可能とするのでしょうし、小国であり国力は決してなかったにせよ、非常に都合が良かったのでしょう。まあその後なったという話は聞きませんから、実際には実現しなかったか、あるいはどこかで頓挫したか。


 ・それにしてもこのある人の目の付け所ですね。
 韓・魏という国は周よりは大きいし、韓なんて名剣を作れる場所ということで有名ですが、それにしても秦や楚、斉などに比較すると立地は悪いし、情勢に翻弄されがちです。それでも同盟を組むことで結構厄介な相手となるということがよくわかっているなと。それで駆け引きに持ち込む。素晴らしい案だと言えると思います。というよりそういう話をあまり聞かないということは、両国の中はあまりいいとは言えないものでもあるのでしょう。
 交渉をするにあたって、韓だけ、魏だけでは弱いわけですが、宰相を兼務させることによって両国を繋ぐ。それによって力を一気に増す。こういう方向性を出せるというのは素晴らしいと思います。まず力がなくてはそもそも交渉の場につくことができない。


 ・ちなみに宋という場所はここです。

 魏の東なので、斉あるいは楚の統治下ということになるのでしょう。ここに趙が影響力を持つというのはどういう事情があるのかはわかりませんが、注によると「趙武霊策」という本にそういうくだりがあるということだそうです。






この記事へのコメント

にほんブログ村 ゲームブログ ゲーム評論・レビューへ
にほんブログ村