新戦国策1-3、ある人が韓に何もしない事が一番利益が大きいですよと説く話






 ということで前回は趙累(ちょうるい)がこんがらがった状況を巧みに解決していくと。楚の景翠(けいすい)に秦を攻めさせて功績と宝をいろいろ取らせて、さらには周から恩を売って貸しを作るという離れ業ですね。そういう話でした。
 今回は非常に短いです。


 東周は西周と戦い、韓は西周を救った。
 とある策士が東周のために韓に言った。
 「西周は元々天子の国であり、名器や宝物が数多くあります。兵の身を案じて、出兵はしないようにしてください(注には、いかにも出兵するぞと見せかけつつ、待機させるようにしてくださいとある)。これによって東周に恩を着せつつも、西周では韓の援軍を早く得たいのでその宝を韓に与えるようになるはずです」


 ・まあ結局のところその魂胆というのは、東周を攻めないでほしいとか韓に西周の味方をしないでほしいとかそういうことになるわけですが。そしてその目的というのは隠されているわけですが、確かに達成されることになるでしょう。何しろ、その通りにしていれば東周からは感謝されるし、西周からは褒美を得られるのですから。こうなれば、敢えて危険なことをしないで得をする道を選ぶのが妥当な話ではあります。結局非常にうまい話なんですが。何もしない事が最もおいしいと。


 これによって西周は韓にさらに恩賞を与えなければならないとなると衰退が速まるでしょうし、そして韓はますます動かないとなる。さらにはこれでうまい汁を吸えるようになると、韓は東周をなかなか攻めにくくもなるでしょう。そういう意味では相当あくどい手だなと思います。ですから表面的には非常に地味で単純なことを言っているようですが、影響はかなり大きく、そして悪質です。まあつまりは非常に効果的ということですが。
 手としては緊急性の高い手というよりは、重要性の高い手だと言えます。RPGでいうところの毒のように、徐々に体力を奪うと。別にそれで死んだりはしないわけですが、長期になればなるほどそのダメージは深くなります。その意味では、確かに韓は得るところが大きいでしょうが、その体質が腐ることを思えば一番割を食ってるのは韓のような気がします。要するに賄賂とかになびくような体質を作っているわけですし、先にそちらに左右されるようになっているわけですから。体質そのものが変わるということがもつダメージというのがいかに大きいものかということですね。


 ・ということで今回は西周と東周ということですが、そもそも西周ってのは確か滅びなかったっけ?
 記憶違いかということで話を進めて来たんですが、やはり西周は滅んでました(笑)そこんところをまとめてみます。
 紀元前771年、申候の乱
 褒姒(ほうじ)という美姫が西周にやってきたんですが、全然笑いません。そこでどうやったら笑うかなあと王様(幽王)がいろいろやってみたんですがダメでした。そんな時に、間違えてあげられたのろしによって諸侯が何事かと集まってくるような事態が起こりました。そこでこの褒姒が初めて笑ったと。それで嬉しくなった幽王は次々とのろしを上げさせて、褒姒を笑わせると。ですから、今で言えば火災報知機で遊ぶとか、オオカミ少年のような話ですね。
 でそうするうちに本物が攻めてきたんで、慌ててのろしを上げたんですが、もう誰も信用しない(笑)こうして西周は滅びました。この西周と以前書いていた西周は別物っていうのが重要です。


 西周はこれによって一度滅び、もう一度やり直そうということで洛陽に引っ越して新しく国を始めることになります。これが東周の始まりですね。
 長安から洛陽へと東へ引っ越した、だから東周西周だと。とりあえずこの時点で西周は滅んでます。
 東周はここから始まり、紀元前249年までの500年間あったということですね。
 なんですが、紀元前440年(滅んでから300年後)にまた西周という国ができています。これは長安ではなく河南という場所のようですね。「周」という名前を使っているだけあって何のゆかりもないというわけではなく、一応周王朝の縁はあるようです。漢王朝復興を目指した劉備が「劉」姓であるのとなんとなく似たものを感じさせます。国も「蜀漢」という名前でしたから漢の復興を志したものだと。
 で、この話のように西周と東周に分かれて争ってます。ですがあまりに弱いので、秦からの外圧によって仲良くなったりもしているようですが、まあ滅ぼされます。確かに弱小ではあったでしょうが、まあこうして戦国策にたくさん見られるように、周王朝としての権威はあるということ、そして優秀な臣下がどうも数多く仕えているらしいということ、そしてそのために数々の工作を裏でしているということが特徴として挙げられるでしょう。


 今回前回の話のように、〇〇の戦いみたいな華々しいことは全然ないわけですが、目立たないところでいろいろな工作をすることで結構な影響力をもっている。そして他国に貸しを作ったりして細々と生きている。これはけっこうすごいことだなと思います。実力はないかもしれませんが、それでも他国に大きな影響力を持っているということですから。そうして生き残る道が当時にあるということがおもしろいですね。







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