新戦国策1-1、恵王、顔率(がんそつ)が斉王に九鼎を渡さないようにする話






 ということで東周に入りました。
 恵王(けいおう)はどうやら紀元前670~前650あたりの人のようですね。
 そうなると西周は戦国時代で秦に圧迫されて大変だとか言ってましたが、東周はもっと古代で春秋時代の話がメインとなりそうです。
 恵王

 ということで結構長いくだりです。


 秦が軍を起こし、周に向かって九鼎(きゅうてい)を所望した。
 周君はこれに悩み、顔率(がんそつ)に告げた。顔率は言った。
 「大王におかれましては、このことを悩みますな。この臣は東に行き、斉に助けを求めてきましょう」
 顔率は斉に行き、斉王に告げた。
 「秦の無道のひどさにつきましては、兵をやって周に九鼎を求めるような有様です。周の君臣が話し合った結果、秦に与えるよりは、大国(である貴国)に与えた方がいいのではないかと。危うい国を救うことは美名となり、九鼎を得ることは実利の厚いものでありますこのことを大王が考えてくださることを望みます」

 斉王はこれを大いに喜び、五万の軍を起こし、陳臣思(ちんしんし、田臣思とも。田氏はもともと陳氏といった)を将として周を救いにやらせた。これによって秦の軍は引き上げた。周君はまたこのことを憂えた。顔率は言った。
 「大王そう悩みますな。この臣が東に行き、解決いたしましょう」
 顔率は斉に行き、斉王に言った。
 「周は大国(である貴国)の義によって皆そのままであることが叶いました。九鼎を献じたいと思います。しかし大国(である貴国)ではどの道からこれを斉に運びなさるおつもりか」

 斉王は言った。
 「私は道を梁(りょう、魏)から取り寄せようと思います」
 顔率は言った。
 「それはできません。梁の君臣が九鼎を欲しいと思って謀ることは疑いないことです。もしも九鼎が梁に入れば、出てくることはないでしょう」
 斉王は言った。
 「では楚から取り寄せようと思います」
 顔率は言った。
 「できません。楚の君臣がこれを手に入れようとして宮廷で画策することは疑いありません。一旦楚に入ったならば、出てくることはないでしょう」
 斉王は言った。
 「私は一体どの道からこれを斉に取り寄せればいいのだろうか」
 顔率は言った。
 「実は周の方では前々から王のためにこれを憂えておりました。鼎はとっくりのようなもので、ふところにかかえて脇に挟み、手にたずさえて斉にやってくる、というようなものではありません。鳥が集まったり、ウサギが飛び跳ねたり、馬が馳せて行くように無造作にたどり着くようなものでもありません。
 昔、周が殷(いん、周の前の王朝)を討伐して九鼎を得た時には、たった一鼎なのに九万もの人がこれを引いたものです。つまり、九九八十一万人が関わったのです。兵卒や労働者、そのための道具や被服、たくさんの物が必要となったのです。
 今仮にその人数はあったとしても、どの道からそれを取り入れられるのでしょうか。この臣は大王のためにこのことを憂いに思っております」

 斉王は言った。
 「あなたがしばしば来ていたのは、鼎を惜しんで無理難題を持ち掛け、提供せずに済まそうと思っての事か」
 顔率は言った。
 「私はあえて大国を欺こうとは思っておりません。それでは速やかに道を定めてください。周の方では送り出す準備を致しまして、大王の命を待ちましょう」
 これを聞いて斉王は何も言えなくなってしまった。


 ・一休さんのとんちみたいな話ですが(笑)
 果たしてこりゃ一本取られた、おもしろかったで済むのかどうか。というより周は信用無くして今後話聞いてもらえなくなりそうだなと思いますし、決して上策だとは言えないなと思います。気楽に聞けばとんち話、マジメに聞けば信用失墜した極めて危うい話ですね。こういう話だから約束守らなくていいというわけではないでしょうし、ちょっと手放しに褒められない話のような気がします。まあ、そういう周の状態とか、こうでもしなければならなかったという現状の方を表しているのかもしれませんが。


 個人的にはまずいなと思いますし、あまりそこまで学ぶべきところはないのかなと。








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