新戦国策2-11、ある人が秦に行く周足(しゅうそく)に助言をする話






 なんかアクセス数が急に増えてきました。ものすごく地味なテーマだと思ってたんですが、意外と需要はあるのかも(笑)
 ということで前回は綦母恢(きぼくかい)が周君のために魏から動物園もらってくるという話でした。
 おい、周君に嫌われるぞ! とすごんだら魏王が動物園と兵士の援助までOKしてくれたって話でした。



 犀武(さいぶ)が敗れると、周は宰相である周足(しゅうそく)を秦にやった(秦の周への侵攻を恐れてのこと)。
 ある人が周足に言った。
 「どうして周君に言わないのです、
 『この臣が秦に行く時は、秦と周の関係は必ずや悪化しているでしょう。主君の臣ですから当然秦も重く見るでしょうが、我こそは次の宰相たらんとする者も中にはいるでしょうし、秦に工作をして私を失敗させようということもあるかもしれません。ですからこの臣は宰相を罷免された後に行こうと思います。主君はその代りをしたいという者を宰相にしてください。その者が宰相となれば、秦に悪さをするようなことは起こらないでしょう』と。
 しかし周君は秦を重く見ているがゆえに宰相を行かせたわけです。行くにあたって罷免するようなことになれば、これは秦を軽く見ることに他なりません。つまり罷免されるようなことはないでしょう。宰相がこれを言って秦に行き、秦との関係にいい結果があったとすればこれは宰相の手柄です。もしも関係に悪い結果が出たならば、宰相にとって悪いように工作する者は誅殺されることとなるでしょう」


 ・この言った者の名前が出てきてはいませんが、しっかりとしているなという感じですね。
 これも前々回あたりからの流れで、伊闕の戦いいけつのたたかい)の結果を引きずっていますね。周は韓・魏連合軍に参加して一緒に負けたので、秦とは敵対しています。
 周君は魏に自ら外交に出かけていますし(しかしゲームではよくありますが、実際に君主自ら外交に行くっていうことが実際にあるってことが驚きですね。それくらい相手に礼を尽くすということでしょうし、そのくらい効果的ということでもあるのでしょうが、まあ普通なら部下に行かせると思います。そのくらい周には人がいないのか、あるいは緊急事態ということなのか。しかも魏王には断られていますし。三国時代には劉備が孫権のところへ行っていますが、それも結婚の話だから直々に行ったわけでそのくらいなかなかない、レアって気がします)、宰相はその間に秦に使者として行っていると。
 主君も宰相も出かけて不在という事態ですから、いかに切羽詰まっているかがうかがい知れると思います。


 ・この者が言った内容というのはかなり鋭いなと思います。
 宰相の周足(しゅうそく)は秦に使者として行くわけですが、このまま周が滅ぶかどうかのかなり重責な仕事だと言えます。
 ところがその邪魔をして自分こそが宰相にという者は中にはいるわけで。その者にとっては周足が失敗して失脚すれば自分こそが宰相というわけでこれはチャンスというわけですが、そもそもこれが失敗すれば周は滅びかねません。周が滅ぶ可能性があるのに、それを計算に入れられないほど自分の出世に目がくらんでいると。


 どういう感じですかね。
 「あいつが死ねばオレは宰相だ」といってみんなの食べるカレーに毒入れて「カレー毒物混入事件」を起こしたはいいけど自分も食べてしまって死亡するかのような話ですかね。
 あるいはそいつの乗ったエレベーターの釣りあげられているワイヤー切ったはいいけど、そのエレベーターの真下に自分はいましたという感じかもしれません。でも、人はそういう状況でもそれをやってしまえるし、普通しないでしょというそれを案外あっさりやってしまえる。バカだと言えばそれまでですが、「人を呪わば穴二つ」といいますか、なんというか対象を呪っていると案外そういう風になってしまう気がします。足元が見えなくなるというかですね。
 そういうことがこの古代にもあるんだなと。だからこの人の指摘は非常に鋭いし、古代も人がやることはあんまり変わらんのだなと思います。

 ・そして、できれば外交が成功するに越したことはないんですが、失敗したとしてもそういう者を誅殺するチャンスに変えられるというのも大きいですね。自分の出世のためなら相手をというようなそもそも計算の狂った人、こういう人を放っておいてもいいことはまあないでしょう。というより明らかに周の全員を危険に晒している状態になっています。ならば、できればこれを機にマイナスを排除すると。そういうことを考えの中に入れることができている。明らかにできる限りプラスを目指そうという方向性がある。プラスを当然目指しますが、それがダメだったとしてもマイナスを切ることによるプラスを手に入れられるようにもっていくことができる。そういうプラスに対して貪欲なまでの姿勢がある、これが非常に重要だと思います。




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