ことわざ:柿が赤くなると医者が青くなる
冒頭のようなことわざがあるそうで、内容としては柿が赤くなるということはそれくらい晴天が続いてみんな商売繁盛で健やかに暮らせるから医者が青くなるとか、または柿そのものに栄養があるもんだから医者いらずとなって医者の商売上がったりとなって青くなるだとかいろいろ解釈はあるそうだが、まあ一応はそこらへんの意味合いになるらしい。
・ところで「転がる石に苔が生えぬ」というが、これは意味合いが大きく分かれるようだ。
職や住所を転々とするようなヤツにはまとまった財産が貯まらない、だから苔が生えぬ、いつまで経っても成功できないという解釈もある。かと思えば、職や住所を転々とするくらいよく働くヤツは苔などというものが生える余地がない、いつもキレイなままだという意味もあるのだとか。ところ変われば意味合い変わるというわけだが、一般的には日本やイギリスでは前者の意味合いになり、アメリカなどだと後者の意味になるのだそうだ。
日本では「苔が生す(むす)」といえば不朽を表すものだから、まあ苔生して長続きしてるってのはいい意味になるだろうし、成功の代名詞となったりもしたのだろう。
ただ最近ではこうした解釈が普及していくにつれて日本でもアメリカ的な意味合いとなりつつあるような気もする。だから地域とか文化、局所的なものにプラスして時間的な推移もこれに影響を及ぼしていると言えるだろう。
・ところでここで冒頭のことわざに戻るのだが、今年はあまりにも実家では柿が豊作で、柿食べすぎで家族は尿から糖が出たらしい。
ふと思い出せば、「柿が赤くなると医者が青くなる」を口癖にしていたその家人だが、柿はいいものだと食べすぎて、いつも健康でかつ長寿だったその体調を大きく崩してまさか本当に医者が青くなるとは思いもしなかったに違いないし、今も想像がついていないのだろう。
その家人の辞書に「柿を食べると(食べ過ぎて体調を大きく崩して)医者が青ざめる」なんて新しい解釈をぜひとも付け加えたいものだが、恐らくそっちの辞書は更新されることはないだろうから少し残念だなあ、などと思ったのでふと書いてみたという次第である。
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