菜根譚61、適切な対処(章邯の立ち位置について)






 「心乱れて迷っている時には、覚醒させて気持ちを上げて醒めることが必要である。
 心が緊張しているような時には気を下げて放つことが必要である。
 そうでなければ、恐らくは迷いから去れても、結局は心乱れるような事態に陥ることになるだろう」


 ・何言っているかよくわからなかったので(笑)、いろいろなサイトを見てみましたが、やはりよくわからなかったという(笑)
 自分で考えてみますと、つまり心が迷っているような時には集中しろと。一個一個の問題を集中して片付ける。それがベストであり解決の近道なんだということでしょうね。
 つまりは集中しろと。
 続いて、緊張しているならリラックスしろと。落ち着く、これによって気を静めることでやはり一個一個の問題に対処していくことも可能になるだろうという話です。
 集中して対処しろ、続けてリラックスして対処しろという話ですね。
 心を引き締める、続いて弛緩させる。そりゃそうだってなりそうですが、これがなかなかそうはいかないのでしょう。心の問題というのは難しい

 迷って気が散っている場面でリラックスしても解決にはならない。
 方や緊張している時に集中しろ、といっても緊張の上に集中はできないものです。
 つまり、状況によって適切な対処やアドバイスをしなくては意味がないどころか堂々巡りになり、解決どころか泥沼の様相を呈することになる、と言いたいのではないかと思います。
 つまりは負の連鎖に陥るのだと。



 ・まだ秦の時代に、圧政に耐えかねて人々が各地で蜂起するということが起こりました。陳勝呉広の乱などが有名ですね。漢の皇帝となる劉邦も別の乱に加わっています。当時は山賊の頭領などをやっていました。


 中央としてはこの事態に対処するため、対策を講じます。
 趙高は章邯(しょうかん)と司馬欣・董翳(しばきん、とうえい)を派遣し、三人は大活躍をします。項羽の叔父である項梁(こうりょう)は戦いに敗れてこの時敗死しています。
 元々秦は強兵で知られている上に名将に率いられたことで存分に力を発揮したのでしょう。


 ・ところがここで項羽が怒って秦を相手に連戦連勝をすることになります。
 章邯も善戦しますがなかなか勝てません。
 都の方では「急に勝てなくなったのは、恐らく章邯らが敵に内通しているためであろう」という噂が流れており、すでに章邯らの家族は処刑された後でした。
 寝食を忘れて戦った功績を褒められるどころか、待っていたのは家族の処刑ということに絶望した三人は、楚の項羽に下ることを決意します。こうして20万の秦兵と共に下ることになるのですが……


 ・秦としては当然賊の討伐が最優先だったはずですが、しかしあまりにも功績を立てられるとこっちが日陰者になるという事情もある。章邯というヒーローが立ってしまうと趙高はヒーローではなくなるわけです。こうした事情は劉邦が天下を取った後にも深刻に出ることになるのですが、とにかくこうしたバランス感覚があるということが重要です。
 解決してもらわないとこちらが全滅するけど、解決してもらったらこの地位が脅かされてしまうと。
 章邯は功績を立てすぎた。あまりにも華々しい活躍の後に待っていたのは家族の処刑だったという、プラスも行き過ぎるとマイナスに出るという典型的な話ですね。韓信も名将でしたが、名将に付き纏うこういう現象は一考される価値があると思います。


 ・かといって、じゃあ章邯が他にどうしていればベストだったのかということは難しいですし、答えはそうなかなか出るものでもありません。
 ですがこういう現象が起きた時に、いやーがんばった章邯があまりにも報われなさすぎる、不憫すぎる、もうちょっと何とかならなかったんだろうか、もうちょっと戦う以外のやりようは、つまり趙高が諸悪の根源だと知っていれば何かの手を打つという方向性は章邯にも少しはあったんじゃないかなどといろいろ思いを巡らせることは現実生活においてプラスに生きる性質のものだと思いますので(歴史的にはあまり意味はないかもしれませんが(笑))、今回そういう方向性もあるということを指摘して終わりにしたいと思います。










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