air5話-1、発作を起こす観鈴と、みなぎのある一面の話



 5話



 ここらへんから急激に難しくなる印象。
 ①そのままのストーリーの流れ
 ②霧島家の一連の流れ
 ③遠野家(みなぎの家)の流れ
 恐らくこの三者をどう見ていくか、どのように繋がっているかということが複雑になることから起きている。
 ①のみで見るには力不足、③で見ていくのも力不足だが②を入れると話がややこしくなって把握しきれなくなる感じ。



 「海が見たいってその子は言った。
 だけど連れて行ってあげられなかった」
 という幼い日の母親の言葉。
 本当に納屋で寝てる往人。


 長いこと住んでて、酒の話し相手にもなってる割には晴子は冷たいなと。
 結構な距離感がある印象だし、表面上の朗らかさとは違って突き放されているかのような異常な冷たさがある。
 そういう違和感を抱えたまま物語が始まる感じ。


 ・「あの羽根を見た時なんだか不思議な気持ちになって……」
 心がざわざわしたのは観鈴も同じだったことがわかる。
 夕べの夢は月がすごく明るかった。
 体中がズキズキ痛んで。
 たくさんの人が私を閉じ込めようとしていたんだと。

 夢の方向性が曖昧でなく、未来でなく、明確に過去を示し始めているのはどうも往人も同じらしい。


 ・人形劇を嬉しがっている二人の少女。
 嬉しそうな様子を見て、うれし気な往人。
 「やっぱり子どもはこうでなくちゃな」
 そこにあるのは物珍しさとか、好奇心をそそるものに対して純粋に面白いと思える方向性。
 それというのは「オチないんか」とか起承転結とか、つまり加工された人為的なかたまり、こっちが理解できる対象以外を受け付けない、受容できないという方向性とは全く違うもの。そういう意味での「排他性」とは違う形。
 そしてポテトと話をする。
 「って、なんで俺たち普通に話してるんだろうな……」
 「まーたタダ働きか」
 金を儲ける気があるのかないのかはわからないが、「お代を置いてけ」とは一言も言わない往人。


 ・みなぎに出会う往人。
 みちるは弁当を食べている。
 「食い意地の張ったヤツめ」
 佳乃のシーンのオマージュ(お笑い)。頬が引っ張られる往人。
 弁当にまみれて駅でシャワーを借りることに。

 お米券と「星の砂」をもらう往人。
 「これで三人、おそろい」
 「この砂は、私が父からもらったものなんです」
 「じゃあ……大事なものなんじゃないのか」
 「ええ、国崎さんとみちるなら……」


 ・観鈴を迎えに学校へ。
 なぜか学校にいない。先に帰った様子。
 そのまま天文部へ。
 「ようこそ天文部へ」
 部長一人で「少数精鋭です」
 学校へはみちるを連れてきたのも初めて。

 「今日は三人で天体観測をしたかったんです」
 「あの子、国崎さんの話ばかりしてるんです」
 「あの子は私の半身ですから」
 「半身?」

 みなぎは家では「みちる」と呼ばれており、家には「みなぎ」はいない。


 「こういう時を過ごされた時はありますか?自分以外の誰かと共にいる幸せ、誰かのために生きられる喜び」
 この言葉を聞きながら、まるで往人は自分の母がそれを言っているかのような錯覚をする。
 「あったはずなんだ、俺にも。
 遠い昔だけどな……」


 ・「背が高いと、その分だけ空に近いですから」
 「空」というキーワードが佳乃の「空に行きたい」をなんとなく彷彿とさせるかのよう。

 ・母がみなぎを見つける。
 「はいりなさい、みちる」
 衝撃を受ける往人。
 「お、おい……遠野!」
 「さようなら」

 まるで親しくなった知人の、知ってはならない一面、そして知られたくない一面に不意に触れてしまったような衝撃。

 ・神尾家へ。
 机に突っ伏して寝てる観鈴。
 「補習遅くなるって言ってくれれば……」

 そこで絵日記を見る。
 「7/25(月)往人さんが駅で遠野さんたちににんぎょうげきをひろうした。ふたりともとてもびっくりしてた。たのしそうだったよ。やったね。よる神社で往人さんがクビをしめられた。クビにあざがのこってしまった。いたそうだけどだいじょうぶかな。しんぱい」
 「7/26(火)往人さんといっしょに霧島さんをさがしにいった。霧島さんは神社で」
 と書いてあるが、そこまで詳しく見ているわけではない。


 ・テレビでアニメを見ている往人。
 せんべいをかじっている。
 ふと、最もいいとこでテレビを消す観鈴。
 驚く往人。

 まるで最もエネルギーを使う瞬間を待っていたかのよう。
 そんな一番めんどくさい場面でこそ本当の感情が出る?
 それでも遊びたいと思う……そう思えるのを待っているかのよう。


 「げ! お、おい! 今一番いいところじゃないかよ!」
 「トランプしよ」
 「……しつこいなお前も」
 「往人さんとトランプしたいな」
 「……マジ?」
 「どないしても?」
 「わかったよ、やってやるよ」
 「やった」
 嬉しそうな観鈴。
 「神経衰弱にしよ」

 とっくの昔にトランプを「卒業した」往人と、まだ卒業してない観鈴。
 まだ卒業してない、だからこそまるで階段を一段一段上るようにトランプをしなくてはならないかのよう。
 卒業するために。



 トランプを落とす観鈴。
 調子が狂い始める。
 「お前……泣いてるのか?」
 「泣いてないよ……遊べる……がんばらないと……がんばらないと」
 「どうしたんだ!具合でも悪いのか!?」
 「大丈夫、……大丈夫」
 大声で泣き崩れる観鈴。


 その階段というのは恐らく誰かと一緒に上る共同作業としての階段であり。
 誰かがいなくては、友達がいなくては上ることができない。
 そして今こうして往人もいる。
 協力してくれ、一緒に上ってくれる。
 さあ今こそ上がれるというその瞬間に観鈴の「発作」は起きた。
 まるで、観鈴がその階段を上がることを観鈴本人は望んでないかのようであり、しなくてはならない卒業をしてはならないかのように。









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