レオンで英語でも学んでみましょうやという企画10日目(部屋に突入するスタンたち一行)





 ということでぶたれて意気消沈していたマチルダは牛乳を買いに出ていきました。
 レオンに白いハンカチをもらった、その優しさに対するお礼というわけですね。
 そこへスタンスフィールド一行がやってきます。
 約束の「明日の正午」なわけですね。


 どうしてこんなに柄の悪い連中が? と思えるんですが、ITとかの分野でもハッカーを使ってハッカー対策というのが合理的というのがあるようなので、麻薬対策で取り締まるなら麻薬の分野にどっぷりと浸かった連中を使うというのがあるのかもしれませんね。


 スタンは薬を飲んでスイッチが入ったかのようです。
 一番温厚であまっちょろく見えていたヤツが急に一番乗り気になります。
 今日はここからですね。ほぼスタンです。
 スタンをS、部下のマルキーをMaとします。
 突入前、突入後、ジョセフと会ってからの3場面がありますね。



 突入前
 S:
 
 

 Ma:
 S: 
 マルキーの銃を取って部屋に突入するスタン
 ジョセフの妻を撃つスタン

 Ma:
 長女を撃つスタン
 部屋をフライパンで荒らすスタン


 ジョセフを見つけるスタン
◎S:
 
 
 笑うスタン

◎S:
 


 ・「撃つ」ということで今回はスタンによる一方的な銃撃シーンなんですが、なぜかベートーヴェンとかモーツァルトとかといった言葉がたくさん出ています。
 「あれ? 今ベートーヴェンて言わなかったか?」
 「なんで銃撃シーンでベートーヴェンにモーツァルトなんだ?」
 「聞き間違えたか?」
 と思われたら、その違和感は核心を衝いていますので、ご安心を(笑)


 フライパンで部屋をスタンがめちゃめちゃに荒らしてますが、部下たちからみればこれはどうやら乱闘してるようだぞと。最高に張りつめているんですが、スタンは自分の「ベートーヴェン」に従って部屋を荒らしているだけなので、乱闘とかは全然起きていません。
 こりゃあヤバいぞと緊張していたらふらっとスタンが出てきて、部下たちは脱力して愚痴ったりしています。



 ということで日本語訳を付けてみます。


 突入前

 S:
 嵐の前の静けさは最高だな
 ベートーヴェンだ
 
 聞こえるか?
 大草原にいる時のような
 葉のざわめきが聞こえてくる
 
 ベートーヴェンは?
 Ma:
 興味ない
 S: 
 演奏してやる

 マルキーの銃を取って部屋に突入するスタン
 ジョセフの妻を撃つスタン

 Ma:
 見張ってろ
 長女を撃つスタン
 部屋をフライパンで荒らすスタン


 ジョゼフを見つけるスタン
 S:
 約束の正午だ
 1分過ぎてる
 ベートーヴェンは?
 最高だぞ
 序曲を聞くと身震いする
 力強い
 
 だが序曲の後は
 退屈なだけだ
 聞き飽きた

 笑うスタン
◎S:
 ヤクを探せ
 モーツァルトは好きか?
 俺は好きだぞ
 オーストリア人だ
 
 彼の曲は軽すぎる感じがする
 重厚な作曲家がいい
 ブラームスもいいぞ


 ・さて。
 ここから解説になりますね。


 
 突入前
 S:
 「I like these calm little moments before the storm.」
 と言っています。
  「嵐の前の静けさが好きなんだ」と訳せば簡単なんですが、littleがあるので「嵐の前の、ほんの少しだけある静かな時間」ということを言いたいのでしょうね。
 remind 人 of 物で「人に物を「思い出させる、思い起こさせる」ですね。
 だから
 「この嵐の前の静けさはオレにベートーヴェンを思い出させる」んだというわけですね。


 
 聞こえるか?
 と言ってますが、マルキーに対して
 「お前、ベートーヴェン聞こえるか?」と(笑)
 聞こえるわけねーだろという話ですが(笑)
 
 「It's like,when you put your head to the grass.
 You can hear it growing,You can hear the inside zzzza……」
 youとは言ってますが、部下のマルキーというよりは一般的な話、というよりスタン本人のことを言っているような気もしますが。
 「それは、頭を芝生の上に置いた時のようだ」
 「それが大きくなるのが聞こえるだろ、内側のザザザザという音が大きくなっていくのが」
 そんな感じですかね。


 翻訳さんはここを
 「大草原にいる時の葉のざわめき」と言ってますが、大草原で木なんかそんなにないだろうにざわめきが聞こえてくるってのも変な話ではあります。
 いやそれを言い出したらそもそも芝生からざわめきが聞こえてくるだろってのがそもそもおかしい(笑)
 そもそもベートーヴェンが流れているのがおかしい(笑)


 


 Ma:
 もともとはここ
 「I couldn't say.」なんでしょうが
 Couldn't really sayとなっています。
 ここ倒置になってますね。
 倒置についてはこちらにリンクを。

 意味を強めたい、強意の時に否定語が先頭に出てくると。
 否定の副詞句ってやつですね。この後の語順は疑問文と同じになるってやつでしょう。

 翻訳では「興味ない」となってますが。
 実際にはマルキーは
 「知らねーよ!」とか
 「なんも言えねーよ!」
 と言いたいのでしょう。

 大体なんでこれから銃撃という時に、突入前にベートーヴェンの話をしなくてはならないのか(笑)



 S: 
 I'm gonna play you some. 
 ちょっと聞かせてやるよとか、そういう感じでしょうかね。


 マルキーの銃を取って部屋に突入するスタン
 ジョセフの妻を撃つスタン

 Ma:
 「ここにいる方がいいぞ」となりますが。
 部下に気を使って言ったというよりは、
 「ここにいろ」という意味で言ったと捉えたほうがいい気がします。


 長女を撃つスタン
 部屋をフライパンで荒らすスタン
 ジョゼフを見つけるスタン

 S:
 「正午までと言った(のに過ぎてる)」
 悪いのは約束を破ったお前だと言わんばかりです。
 とはいえこの武装具合を考えると、最初からスタンはこの嵐と嵐の前の静けさが好きでつまり最初から撃ち合いをする気満々だったと考えられます。
 話し合うつもりはなくて、お、これは撃ち合いできそうだ、ラッキーと思って「明日の正午」と言った。
 でもそれは待ってやるというよりは、武装してやってくるために言ったと考えた方が正確なのかなと。




 ここからベートーヴェンの話が始まります。
 「あんたはベートーヴェンが好きではないな(好きではないようだ、好きではないらしいな)
 あんたは自分に何が欠けているかわかってない。
 序曲はまるでオレの活力をみなぎらせるかのようだ。
 力強い!」
 get one's juice flowingで「(人の)活力をみなぎらせる、興奮させる」
 ですね。 


 

 「でもオープニングが終わった後は正直言って、彼の曲は結構超退屈なんだよね。
 だから止めちゃった!!!」

 tend to~で「~の傾向がある、~しがちだ」
  to be honest で「正直言って」ですね。


 つまり突入前は好きだし、突入も楽しいけどそれが終われば退屈なんだと。
 この突入とベートーヴェンの曲を重ねているわけですね。
 そしてジョゼフに「あんた自分に何が欠けているかをわかってないな」
 と言っています。
 退屈でおもしろくない。
 そうでないもの、おもしろいものを期待しているのが分かります。
 しかし、恐らくはこの「スタン」語は全くジョゼフにはわかってないし、意味が分からないのでしょう。
 退屈でつまらんから、お前銃とか取り出してちょっと盛り上げて見せろよと言っている。
 つまり、これからお前が銃を取りだして襲ってくることはわかっているんだぞというのを全く違う言葉で言っているのでしょう。




 笑うスタン
◎S:
 

 toss は「投げ上げる」という意味ですが、「建物ごとぶん投げろ」と。
 要するに「徹底的に徹底的に洗え、引っ掻き回せ」と言っているわけですね。

 ここからモーツァルトの話が始まります。
 「そうか、あんたはモーツァルトファンなんだな。オレも大好きだ。知っての通り彼はオーストリア人だ。
 でもこの手の仕事に関しては彼はちょっと軽いかな……オレももうちょっと重いヤツのところに行くかな」


 恐らく曲調の重い軽いを仕事への態度の重さ軽さになぞらえているのでしょう。
 「調べろと言ったのに調べてない」
 ジョゼフの軽さを言いたいのかも知れません。
 まあでも調べた結果などをスタンの方では全然聞こうともしていないわけですが。


 最後に「Check out Bronx. He's good too.」
 と言ってますが、これブラームスだと「Brahms」なので訳が間違っている可能性ありますね。
 一応「Check out Brahms」であればブラームスをチェックしとけという意味になりますね。


 あるいは、字面の通りに「Check out Bronx.」(ブロンクス(ニューヨークの北の方らしいですが)から出ていけ)と言いたいのかもしれません。
 でもそうなるとHeがブラームスを指せなくなるので、話がうまく通じなくなると思いますね。



 さて、今回長かったですがいかがでしょうか。
 ベートーヴェンやモーツァルト、ブラームスと言った作曲家の名前を出しなが仕事を遂行するスタンの気持ち悪さが伝われば幸いです。
 それではざっと最後に見渡して今回もおしまいとします。
 おつかれさまでしたー。



 S:
 I like these calm little moments before the storm.
 It reminds me of Beethoven.
 
 Can you hear it?
 It's like,when you put your head to the grass.
 You can hear it growing,You can hear the inside zzzza……
 
 Do you like Beethoven?


 Ma:
 Couldn't really say.
 S:
 I'm gonna play you some. 


 マルキーの銃を取って部屋に突入するスタン
 ジョセフの妻を撃つスタン


 Ma:
 Better stay here.

 長女を撃つスタン
 部屋をフライパンで荒らすスタン


 S:
 We said noon.
 I've got one minutes past.
 
 You don't like Beethoven.
 You don't know what you're missing,overtures like that get my juices flowing.
 So powerful!
 
 But after his openings,to be honest.he does tend to get a little fucking boring……
 That's why I stopped.


 笑うスタン
 S:
 Toss the apartment!
 you're a Mozart fan.I love him,too.
 I love Mozart.He was Austrian,you know.
 
 But for this kind of work,he's a little bit light,so I tend to go for the heavier guys.Check out Bronxhe's good too.






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