美人計(三十六計31、敗戦①)






 ということで今回から敗戦になります。自分が劣勢の時に使う計だと。

 美人系(びじんけい)……「美人の計」

 →敵に美人を送り、色仕掛けで敵を弱体化させる。




 ・解説……敵の軍事力が強大な場合は、その将を攻めるべきである。将の頭が切れる場合には感情から攻める。将が崩れさえすれば兵の勢いも崩れていき、その勢力はしぼんでいくことだろう。敵の襲来を防ぐのにいい、というのはあくまで味方との関係の良さ、関係の堅牢さを前提にして初めて成り立つのである。「用て寇を御ぐに利ありとは、順にして相保てばなり」(もってこうをふせぐにりありとは、じゅんにしてあいたもてばなり)


 ・解説の解説……これも『周易』漸卦より。味方との関係、仲の良さが外敵の襲来を防ぐ際には良いのだ、必要なのだと言っている。それをバラバラにする手として、美人を贈るなりして工作していくことは非常に効果的なのだと。






 この手も昔から非常に多く見られる手でした。

 董卓と呂布の間に王允は貂蝉(ちょうせん)を送る(あくまで伝説ですが)。すると仲がいいはずのふたりは憎みあって、とうとう義理の息子である呂布が董卓を殺害することになると。

 天下無双の武勇を誇る呂布を味方につけて得意顔の董卓でしたが、その呂布が裏切るときにはなす術もありませんでした。




 呉王闔閭(こうりょ)を伍子胥は補佐していましたが、病死し息子である夫差(ふさ)の代になります。越王勾践はここで西施(せいし)を贈る(これもあくまで伝説ですが)。夫差は西施を寵愛し、それに伴って賢臣であり忠臣である伍子胥は遠ざけられ、自殺するまで追い込まれることになるわけです。

 いかに伍子胥が知恵者であり、越に対する徹底的な作戦を立てたところで、一度こうなるともうどうしようもありません。これこそが呉滅亡の序章だった、遠因だったと言い得るものでしょう。





 こうして美人を贈る作戦は非常に効果的だよと示していますが、結局のところその反面、団結や結束がいかに重要かということを示唆していると言えるでしょう。

 それをいかに打ち破るか、いかに現状を打開するかということが重要なんだと。

 美人計はそのうちのひとつに過ぎませんがその中でも最も効果的であり、またやる側にとってはお手軽な手段だったと言えるでしょう。




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