仮道伐虢(三十六計24、混戦⑥) 改







 仮道伐虢(かどうばっかく)……「道を仮りて(かりて)虢を伐つ(かくをうつ)」
 →文字通りの意味:道を通行するだけだと言って他国の道を借りて、そのまま虢の国を滅ぼしてしまう。その道を貸してくれた国を亡ぼす。
 →日本での類語:庇を(ひさしを)貸して母屋(おもや)を取られる……一部を貸して全部取られてしまう。



 ・解説……両隣を強国に挟まれた小国に対して、敵国が従えと脅迫するならば、こちらは道を借りるのに自国の勢いをもって押すのである。そうして困っている相手がいくら言葉を使って取り繕ったとしても信じられるものではない。困は、言有るも信ぜられず(こんは、げんあるもしんぜられず)である。
 ・解説の解説……最後の言葉は「困は、言有るも信えられずとは、口を尚べば(たっとべば)乃ち窮するなり」という『周易』の言葉にもとづくもの。困という卦は基本的には吉であり、困っていてもじっと我慢すれば吉だということを表すものだが、しかし基本的に口だけで実態がないと相手に疑われることを意味している。




 これは「遠交近攻」策ならぬ「遠攻近交」の名残をちょっと示しているものだと言えるでしょうね。遠くの国を攻めるから、通るだけだからと言って攻め滅ぼす。油断していなくてもいきなり攻められては最早なす術なしですね。「恩を仇で返す」の典型でしょうが、滅んでしまっては仕方がないわけです。
 そもそも油断して近くを通らせている時点で危機管理が危ういと言えるでしょう。
 これ強国の秦とかがやってた気がしますね。食糧がなくて困っていると言ってよこせと威圧して、OKだせば出した国が窮乏するし断ればオレの頼みを断ったなと口実にして攻め込んで滅ぼすなり叩くなりすると。
 脅迫されるような状況になるほど困ること、そしてなす術なく道を通らせてしまうこと、道を通らせるにしても近くを通らせてしまうこと。いろいろありますけど、そうした要素が積もり積もって最終的には攻め滅ぼされてしまうと。これは怪しいと思えたら早めに手を打てもするでしょうが、そもそもそういう状況に陥っていることがアウトだ、ということではないでしょうか。



 しかし大国がわざわざ信用を失ってまでこういうことをするもんでしょうか。小国なんて一気に攻め滅ぼすか降伏させるべきであって、信用を失ってまで「あの国はああいう手口をする国だ」と諸国に知らしめるってことは長い目で見たら損が大きいのではと。燕の昭王とかは、道を貸してはいませんが、斉からこういうだまし討ち受けて絶対斉を滅ぼすと誓っていたりします。後日それはかなり現実のものになりますが。まあ短絡的に舐めてかかってやってしまった場合もあるでしょうか。
 それこそ「肉を切らせて骨を断つ」を真逆にいった「骨を切らせて肉を断つ」なのではないかなと。そりゃあ一時的には得でしょうが、人の恨みの根深さ、得たものの失いやすさ、失った信用などを秤にかけるとマイナスに大きく傾く、となるものだと思います。
 安易に油断しないことも大切でしょうが、こういう単純で浅はかな方法はしないってのも大切だと思いますね。
 →教訓:こういう手口をし続けていると「骨を切らせて肉を断つ」ような事態に陥ることもある。



 これで混戦も終わりです。
 次回からは「併戦」、他の国と同盟を組みつつ行う計となります。


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