関門捉賊(三十六計22、混戦④)





 関門捉賊(かんもんそくぞく)……「門を関して(とざして)賊を捉う(とらう)」
 →文字通りの意味:門を閉ざして逃げ場を無くし、賊を一網打尽にする。
 →実際には:包囲されて逃げ場所を失ったら敵は必死になり、被害が大きくなりかねない。



 ・解説……小勢力の敵軍はこれを包囲する。追いつめられると必死で反抗してくるので、これに攻撃するというのは得るところがない(剥は、往く攸有るに利しからず(はくは、ゆくところあるによろしからず))
 ・解説の解説……↑これは『周易』中の表現で、小人が君子を害そうとしている卦を意味するとのこと。
 「剥」はむく、引っぺがす、はぎ取るの中国語。「攸」は所とか駆ける先の意味。つまり、行き場を失った敵がいてその場所を徹底的に敵から引っぺがそうとすることは、ものすごい反発を受けるのだと。一方逃げ場所、逃げる先がちゃんとあれば敵は逃げるのを優先して敢えて必死に抵抗しようと言うよりは、逃げようとするものだと。
 包囲して徹底的に勝とうとすれば敵は必死に抵抗する、それは逃げ場所がきちんと用意されている状況には及ばないのである。利益が少ない、うまみがないと。


 ・解説の解説の解説……『孫子』でも「兵が十倍ならば包囲するのがいい」と書いてありましたが、しかし同時に「精鋭を作るには敵地の奥深くまで侵攻するのが良い」とも書いてありました(別の本だっけ(笑))。敵地の奥深くで敵がいつ出てくるかわからん、そういう状況下に置くことで一致団結し素晴らしい精鋭を作ることができるのだと積極的に背水の陣を勧めているような記述がありましたが。
 このままでは死ぬ、全滅するという危機感があれば兵は凡人でも精鋭に変化する。死に物狂いで戦う。それが素晴らしい軍隊を作る上でのコツなんだそうです。


 →教訓:兵法では人数が多ければ包囲するのがいいと書いてはあるが、それをやって失敗する場合もある。下手に包囲することは敵を強化し、自軍の被害を拡大する事に繋がる場合がある。
 単純に門を閉ざすことは敵を強化しかねない。


 

 逆に、敵を追いつめれば「窮鼠猫を噛む」で、徹底的に反抗してきて被害が大きくなりかねないというのは全く同じ理屈です。こっちが包囲してやることが敵を敢えて精鋭にしてやってるかのような感じですね。
 そうなるともう刀が折れたら石を投げるかも知れんし、取っ組み合っていたら噛み付かれるかもわからんと。とにかく勝つためならなんでもする。それを一概に卑怯だと呼べないところがあります。正々堂々なんてやってても負けたら負けは負けだし、死は死なわけで。これこそ「小人」、つまり下品で平凡、普通な人間が「君子」、すなわち上品で洗練されたその道の達人とかを負かす理屈ではないでしょうか。



 もう何度か書いてますが、官渡の戦いの後の倉亭の戦いで、袁紹軍に対して曹操は背水の陣を敷き、さらには伏兵に次ぐ伏兵によって圧倒的多数の袁紹軍を破っています。
 ここで重要なのは、袁紹軍に常に逃げ場所はあったということ。これを単純に包囲していたら大多数の袁紹の前に敗退していたでしょうが、袁紹に敢えて逃げ場所を残すことで、我を競って逃げる相手を前に徹底的に叩くことに成功したわけですね。



 ・ちょっと違うかも知れませんが、自分にとっての退路を断って自分を精鋭にしよう、つまり背水の陣的な意味でこの言葉を捉えても面白いかもしれませんね。
 まあ、下手にそれをやると自分の心の中の「賊」が大暴れして背水の陣にならないかもしれませんが……(笑)
 精鋭になるのはむしろ賊の方で(笑)→勉強やだ
 かといって逃げ場を用意していたら今度は「賊」が逃げるだけかも知れませんし、まあなかなか難しいものです(笑)→勉強後回し





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