抛磚引玉(三十六計17、攻戦⑤)






 抛磚引玉(ほうせんいんぎょく)……「磚を抛げて(せんをなげて)玉を引く(ぎょくをひく)」
 →文字通りの意味:磚(せん、かわら)を投げて玉(ぎょく、宝石)を引き寄せる。
 →似たことわざ:エビで鯛を釣る。
 →他の意味:自分の卑見を述べて、他人の優れた意見を引き出す。



 ・解説……似たもので敵を誘い、出てきた敵を撃つのである。
 ・解説の解説「蒙」は無知蒙昧の蒙、暗い状況などを表すもの。敵を「磚」によって蒙の状態に陥らせる。それによって敵が錯乱している状況を利用して敵の玉を奪う、と。



 『春秋左氏伝』の桓公12年(紀元前700年)
 楚は絞(こう)という国を攻め、絞城の南に布陣した。
 そこで屈瑕(くつか)というものが進言していうには「絞という国は小国で軽率、思慮が浅い。そこで薪取りを放って相手を誘ってみましょう」とのこと。初日、絞城から兵が出て、30人を捕まえた。味を占めて次の日も大挙して薪取りを追って出た。ところが楚軍は待ち構えており、絞軍を一気に破ることに成功した。
 この場合薪取りが「磚」であり、「玉」が城である(または薪取りがエビであり、城が鯛である)。



 「歯亡くして唇寒し」という言葉が多く使われるのは春秋戦国時代かなと思うわけですが。確か秦だったかが韓を滅ぼすのに、隣国の魏かなにかの援助を貸してくれ(というか、貸せ)と言ったことがあって、その時魏の方では反対したと。韓が滅びたら次は魏の番である。その韓を秦が滅ぼそうというのに魏が援助する理由はないと。「歯亡くして唇寒し」がそこでも使われていたと思うんですが、探しても出てきませんでした。
 一見すると、韓を強国である秦が攻めるという。それに伴って魏も韓を攻める。
 そうすると土地が増える、領土が増えて領民も増える。
 一見いいことづくめのようでありながら、実は韓が滅んだあとは魏の番だと。
 「韓」というエビで、実は釣られるのは「魏」の方である。狙いは実は魏であり、魏は鯛であると。
 味方をそうして減らして孤立化させつつ、援軍がこないようにして効果的にひとつひとつ潰していく。




 ……という話があったのは、はてどこだったかなあ(笑)




 ・「自分のつまらない意見を引き合いに出して、偉い人の意見を言わせる」
 これが最もよくあてはまるのは「傀(かい)より始めよ」の故事かなと思いますね。
 燕の昭王は、斉を徹底的に破りたかったわけですがそのためには人材がいる。どうやって集めたらいいかと王は郭傀(かくかい)に聞いたわけです。
 そうしたら「傀より始めよ」と。この傀という小人物ですら賢者として手厚く扱うのだから、ましてオレはそれ以上だと自認する人物はもっとやってくるはずだと郭傀は説きます。
 昭王はなるほどと宮殿を作らせたりして手厚く扱っていたら、なんと楽毅(がっき)などの当時の英雄が続々集まっていたいう話ですね。
 こうして昭王はとうとう斉を滅亡寸前まで追い込むことに成功するわけですね。


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