趁火打劫(三十六計5、勝戦➄) 改






 趁火打劫(ちんかだきょう)……「火に趁んで(つけこんで)打劫す(だきょうす)」
 →文字通りの意味:火事場の混乱につけこんで泥棒をする


 「紀元前482年、呉王は黄池の会(こうちのかい)に赴いて、諸国と会合し盟主になろうとした。そこで越王勾践(えつおうこうせん)とその軍師范蠡(はんれい)は呉王の留守につけこんで呉に侵攻を開始し、太子を殺害する。その後も攻めに攻めて、とうとう呉を滅ぼす」
 ・解説……敵の損害が大きい時にはその勢いに乗じて一気に攻めて利益を得る。強いものが弱いものを制するのである(剛の柔を決するなり)。
 →広げた意味:勢いがある時には、それに乗じて一気呵成に攻め立てて迅速に勝負を決めるべきだ



 これは本のその後の解説になりますが「この計謀を仕掛けられないためには火種を消さねばなりません。火種があると敵はそれに乗じてきます。弱いものほど戸締りを厳重にし、火元を確認し、一致団結して事に当たらねばなりません」とあります。
 「火のない所に煙は立たぬ」みたいな話ですが、そもそもそうした要因がある。
 マイナス要素であり、不安要素がある。それが大きくなっていくと。



 これはひとつ前の話になりますけど、自軍の疲労と気力の充実があった。そして敵軍の疲労と気力の充実もある。そうして提示される様々な要因のひとつとして、こちらの「火種」的な要素がある場合があると。そういうわけですね。それは中にはプラスなものの芽もあったりするんでしょうけど、まあマイナスなものも中にはある。
 この時の呉王は闔閭(こうりょ)という人で、あの孫子で有名な孫武や伍子胥(ごししょ)などもかつては臣下にいました。でもそうした臣下は憤死したり出奔したりしていなくなっていった。
 でも、そもそもそれ以前にそうした臣下がいながら使いこなすことに関してはどうかなと思わせる節があった人ですね。特に伍子胥などは生前に越に注意しろ越に注意しろと散々言っていたのに、あまりにもうるさいので無視していた程です。で最終的には越によって呉が滅ぼされるわけだから。
 それを踏まえて、では火種は? と考えるなら「越に注意してさえいれば……」となるでしょうし、これはまさしく火種でしょう。
 でもその火種はそこで止まるものだろうか。
 恐らく真の火種は、伍子胥のその「うるさい」のをどこまで聞けるかってことじゃないのかなと。



 「良薬は口に苦し」とか「忠言耳に逆らう」とか言いますが、本当に重要なことって指摘されたそれを聞き入れることとか、受け入れることとか非常にシンプルなものだったりすると思いますね。
 「勉強しなさい」とか「歯磨きなさい」とか。
 あーうるさいうるさいと聞き流したくなるけど、その意味とか重要性とかは虫歯になって後悔して初めて気付いたりします。いやそれだったらまだいい方で、死ぬまで耳に入らなかったりすることがあるように思います。この呉王闔閭のように。



 この「趁火打劫」、混乱に乗じて被害を拡大させる的な意味合いですが、そういう火種的な小さいものの案外な重要性、小さいから大したことないと舐めていたら規模が大きくなり手に負えなくなったという意味においても、非常に示唆に富んだ言葉なんじゃないかなと思います。
そうした小さい要因が0を1にする。1にしたら後は大きくなるのは簡単で、どんどん広がっていくだけだと。
 この話としてはそういう要因を「防げ」とか「防ごうね」というような感じのニュアンスですが、一応「勝戦」の話であることを踏まえると、敵にそうしたものを仕掛けるのがけっこう有効なんだよ、という事の方を本来は言いたいのかもしれません。
 



 ・「蟻の穴から堤も崩れる」とか言いますが、そうした可能性のあるものを「発見する」こと、そして未然にその脅威を「取り除く」こと。
つまりは予防のその重要性を示唆したものだとも言えるでしょうね。
 →教訓:脅威を発見し取り除くこと。予防は大切。



 「埋伏の毒」とかでも膨らませられそうですね。



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