タクティクスオウガ⑦ 作戦立案 ヴァイスの場合その2

 前回、ヴァイスの能力はバルマムッサの虐殺後の艱難辛苦を経て大きく磨かれることになったと書いたところで終わった。
 ではその後のヴァイスの作戦はどのようなものがあるかといえば、大きく分けて二つある。
 

 するしかない_20190826-102327.jpg
 一つ目はガルガスタンの根拠地コリタニ城をどう攻めるかという状況で、海路ガルガスタンの背後に回ってマデュラ氷原へ、そこからブリガンテス城を落とし、そこからコリタニ城を攻略する作戦である。その部隊はデニムが指揮することになる。
 百戦連勝のデニムの部隊が指揮を執ること、自分が囮となって敵の本体を引き付けること、奇襲作戦の規模が大規模であり予測が困難であること、そうした細部に至るまで具体的に構想を思い描いて、結果的に作戦は大成功であり、バルバトス枢機卿を戦死させることに成功する。力量や部隊の能力差、実態を詳細に把握し、それに基づいて作戦を展開すること、そのいずれもが非常に的確であることがここから見て取れる。ガルガスタン側のバルバトス、ザエボス、ディダーロ等誰一人としてこの作戦を看破しているものはいない。ここから判断すると、ヴァイスの作戦の立て方、そのうまさはこの時点で比類ないものになっていると考えていい。
ザエボスヴァイス_20190826-102826.jpg
 

 まあこの話の主人公を一番困難なところに送って、負けたらゲームオーバーなわけだから、それもどうかと思わなくもないのだが。


 二つ目は古都ライム奪還作戦である。古都ライムは暗黒騎士団の一部の暴走により、非干渉条約中に信仰される事態となっていた。その後バクラムが支配することになっていたのだが、これをどのようにして奪還するかと言うときにヴァイスが意見を述べる。
 「ウェオブリ火山には、地元の住民ですら知らない抜け道があるんだ」そこを通って古都ライムを強襲するというわけだが、そんな事態を予測していないバクラム側は混乱するはずだと推察する。

方法がないわけじゃない_20190826-103307.jpg
 一体どうやってそんな抜け道をヴァイスが知ったかは不明だが、恐らくこれはたまたまではなく、そうした方向性をもしもに備えてヴァイスが探していた、アンテナを張っていただろうことは間違いない。そうしてみると地元の住民ですら知らない抜け道があることが判明した。そうした情報をこの時点でのヴァイスは持っていたということである。ガルガスタンに潜入した後にでも調べたのだろう。
 そうした予見ができることと、その方向性、そして実際に発見し知ることができたこと、そうした情報を確保していたこと。
 そして必要なときになったらすかさず出すことができること。
 デニム一同が「どうしたもんかな・・・」と悩んでいた時に、ヴァイスは既にそのデニムの何歩も先を歩むことができている。そしてデニムにその抜け道を示すことができているのである。そして作戦は成功し、デニム一同は古都ライムを奪還することに成功する。これによって、デニム一同は次にフィダック城攻略作戦を立てることができる段階に至るわけだ。
 

 こうしてみると、一つ目の作戦からは作戦立案能力、計画を具体的な地点から考えていき実現化させる能力が非常に優れていることが伝わってくる。
 二つ目の作戦からはそれプラス未来の事態をあらかじめ想定し、それに向けていろいろ考える能力があることもわかる。
 そのどちらもが具体的なものであり、非常に具体的なものから成っている。具体的な成果がはっきりとある。これはセリエと比較してみると歴然としており、セリエはパレード襲撃事件においてブランタや暗黒騎士団にまったく被害がなく、むしろ一般住民に被害が出ていたこと。物資強奪作戦ですら失敗し、システィーナは命からがら生還し、もちろん強奪に失敗していること。
 さらにはロンウェー暗殺計画を立てながらも、その後一向にロンウェーが暗殺されたとか襲撃されたという話が出てきもしないこと。
 こうしたことから考えてみるに、セリエは成果、それも非常に具体的な成果を挙げることができていないのに対し、ヴァイスは非常にはっきりとした具体的な成果を挙げることができていることがわかる。
 
流布していた 20190826-103730.jpg
 具体的な成果。つまりヴァイスは例えば抜け道を知る。古都ライム奪還作戦に寄与する。成功する。次のフィダック攻略作戦に繋がるという具合に具体的な成果があるから次へと繋がるという循環が生まれているといえる。好循環と言ってもいい。
 ところがセリエは成果が見えない。無理やり無茶な作戦を決行し、民間に被害を出す。被害を出すし成果がないから部下の士気が下がる。人々が離れる。力が減る。その状態でまた作戦を立てる。失敗する。部隊の士気が下がる。そうした悪循環があることがわかる。
やっぱダメか_20190826-104746.jpg
ヴァレリア解放戦線最後_20190826-102958.jpg


 ロンウェー暗殺計画を立てたセリエだが、その後何の話も噂としてでさえ伝わってこないことを考慮すると、悪循環に次ぐ悪循環によって次第に力が減っていった末に、ロンウェーはもちろん勢いを増す当時のウォルスタ解放軍に一矢報いることすらも難しい状態になっていたということが推察されるのではないだろうか。それについては何も情報が伝わってこない。それは伝わってくるほどの力、影響力をもはやヴァレリア解放戦線が保持していなかったことの方を表しているのではないだろうか。

この記事へのコメント

にほんブログ村 ゲームブログ ゲーム評論・レビューへ
にほんブログ村

パソコンランキング