非干渉条約を結ぶために、フィダック城へとレオナールとともに向かうことになる下り。
ロンウェー公爵によれば、「非干渉条約は「バクラムとではない、暗黒騎士団とだ」(ローディス教国からきた)暗黒騎士団ロスローリアンと戦わないことを誓うものであるのだと。
これによって、ウォルスタとしては
①ガルガスタンに戦力を傾注できる
②暗黒騎士団がバクラムを牽制しているがために背後から襲われる心配もなくなる
さらには
③ローディスが沈黙すればガルガスタン内の日和見は戦いをやめるはず。
しかし、圧倒的な戦力差のあるガルガスタンと真っ向から戦いを挑もうというのが奇妙な話ではあるのだが、それは案の定後から指摘されることになる。まるで対等な敵に戦いを挑もうというような話ではあるが戦力差は圧倒的である。またデニムらゲリラ組織は当初三人しかおらず、ロンウェーに関しては虜囚の身だったことからも無謀と言ってもいいような危うさを感じさせる。さっき助けたばかりのロンウェーが、ガルガスタンといかにも対等に戦うかのような物言いをするのは滑稽にも思えるほどである。
ここでロンウェーは聖騎士ランスロットに話を振る。
「ゼノビアの王はローディスのようにヴァレリア(島)を欲してはおらんよな?」
「ならば我々の国作りのために非干渉を約束してくれるはず」
「おっと、聖騎士殿には関係のない話であったな。これは失礼した」
これはいろいろな事情を踏まえている。
①ローディス教国がバクラムを支援するように、ゼノビアもウォルスタを支援しようとしているのではないか。
②そうして大国であるローディスとゼノビアはヴァレリア島で戦争でも始めるつもりなのではないか。
これに関しては既にヴァイスが懸念していたり、ロンウェーも追及していたりするわけだ。だがランスロット一行は「そんなことはない」「我々は追放された身だ」とその度に説明をしている。
③ニュースである『ゼノビア進撃!?』でも、ゼノビア一行は先兵隊ではないかという推測がされている。
そして重要なのはロンウェーは一切ランスロットからの説明を信じてはいないということ。つまりゼノビアとの関係は途切れてはいないと踏んでいるし、関係がある以上は聖騎士団長であったランスロットに説明をすることはゼノビアに牽制をし、交渉をすることに等しいと踏んでいる。
つまりこれによってローディスとゼノビア、一気に二つの非干渉を実現するに等しい状況が生まれるというわけである。少なくとも、ロンウェーの中での目論見は。
ロンウェーの手腕についていろいろ疑念がもたれることの多いこのゲームだが、非干渉条約という一手にここまでの意味や影響力を込めることのできること、またそうした様々な要素を把握しており、広い視野を持っているということは十分評価に値するのではないだろうかと思われる。問題はウォルスタとガルガスタンの戦力差が圧倒的過ぎるということだが。
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