あ、作戦編も今回で終わりですね笑
あっという間だったなあ笑
書いてない期間が長かったから、妙に長く感じますが一気にふたつ書こうかなと。
3
従って、敵兵を殺すのは奮い立った兵士たちの気勢によるわけなのだが、敵の物資を奪うのは実際の利益のためである。だから車戦で車十台以上を捕獲した際には最初に捕獲したものに賞として与え、敵の旗を味方のものと取替え、獲得した車に味方を乗せ、降参した敵兵は優遇して養う。
これを称して、敵に勝って強さを増すというのである。
4
そんなわけで戦争は勝利を第一とするが、長引くのは良くない。
戦争の利害をわきまえた将軍は、すなわち人民の生死を握る者だと言え、国の安危を決するものだと言えるのである。
はい、作戦編終わりましたね。
いやあー長かったなあ笑
・3にあります「敵に勝って勢いを増す」これは聞くと非常に理想的に聞こえますが、これを実際に行うことが以下に難しいかは枚挙に暇なしですね。
一例を挙げるならば
http://blog.livedoor.jp/hobiii-kingdam/archives/1012570815.html
これですかね、長平の戦い。
秦は趙の兵士を生き埋めにするってわけですが単純に考えて40万をそのまま秦に編入できれば秦はさらに強くなります。
でもそうはしなかった。捕虜を養うだけで膨大な食糧はいるし、なによりも裏切る心配がある。捕虜となった40万人がそのまま裏切ってきたらとんでもない脅威ですね。捕虜を殺害したと罵られようとも、名よりも実をとって殺害する場合も中にはあったということですね。
後年、楚の項羽(こうう)も秦兵をたくさん生き埋めにしています。
理想的な話ではありますが、実際はなかなかそうはいかない。
いや、実際はなかなかそううまくはいかなかったが、兵法の理想としては残ったと言ったほうが正確でしょう。
・戦争を「利害」で考慮したならば、圧倒的に害が大きい。
①自国は衰退し、遠征した分も補給をしなくちゃならない。だからこそ奪うって事が非常にいいのだと前回書いてありました。
で、我慢とか忍耐とか、努力や根性ではない似「楽」して無理せず勝つってことが思想としてあるのではないかと。
その「楽」の先に長期的な展望に立った勝利を目指していると書きましたね。
で、ここではさらにその先を行こうという思想です。
③「敵に勝って勢いを増す」こうした視点が出てきました。車をたくさん奪ったら褒美として与えてやる。敵の車に乗車して戦う、いっそ敵兵を優遇して味方として戦ってもらう。これができれば味方の勢いをまるで雪だるまのように膨らませていくことができると。
①、②、③として考えるならば、けっこうなマイナスかもしれないものを0へ、プラスへと近づけていく持っていく流れからさらにプラスをより大きなものにしようとしていることがうかがい知ることができます。
・共に戦ってくれるなり、あるいは裏切るなり・・・降参してきた兵士たちにはそれはそれでめいめいの思いや勢いを持っているとここでは解釈できるでしょう。それが自軍と重なれば自軍の勢いは増す、でもそれが異なった場合には勢いは相殺される。自軍の勢いは降参し裏切った兵士の勢いのために削がれる結果となる。勢いはここでは1+1=2、あるいは1-1=0であるかのように解釈されていることが伝わってきます。
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